夏休みに観たい星:てんびん座

α星ズベンエルゲヌビが見える方向
7月20日21時頃
南から西へ39度 高度28度

7月25日21時頃
南から西へ43度 高度26度

8月1日21時頃
南から西へ49度 高度22度

8月10日21時頃
南から西へ56度 高度16度

8月20日21時頃
南から西へ62度 高度9度


上図は光度6等星より明るい星だけ描いた天秤座です。
左側の星名を振っていない星座は「さそり座」です。

てんびん座は紀元前1世紀頃(古代ギリシャ時代末)までは独立した星座ではなく、 おとめ座の女神アストライアーまたはアストレアが物事の善悪を見極めるために使う天秤と、さそり座のさそりの大きな鋏でした。
さそり座に含まれていた名残が星名にあります。
てんびん座で一番明るいα星は、南の爪を意味する「ズベン・エル・ゲヌビ」二番目に明るいβ星は、 北の爪を意味する「ズベン・エス・カマリ」です。
紀元前2千年頃、秋分点がてんびん座にありました。
秋分点では、昼と夜の長さが等しくなるので、昼と夜が釣り合っている点と考えれば、天秤を置く理由になります。

α星は二重星で、光度2.9等と5.3等がの二つの星が角度で3分51秒隔て位置しています。
視力の良ければ肉眼で二重星を確認できますが、双眼鏡や天体望遠鏡の低倍率なら確実に確認できます。
α星の上に見えるμ星は対物レンズの口径が6cm以上で確認できる二重星です。
5.8等と6.7等の二つの星が角度で1.82秒離れています。
β星の斜め右上に4度のところに見えるδ星は連星によって星の光が遮られて光度が変化するアルゴル型変光星です。
2.32日周期で光度が4.8から5.9等まで変化します。
周期が短いので夏休みの自由研究に向くかも

球状星団NGC5897は光度が10.9等なので口径6cmの天体望遠鏡では位置が判る程度にか見えません。