身近な自然と科学
  1. 病気の豆知識

肩が痛むとき

五十肩の特徴

40代以降の方で、突然、痛みで肩が上がらなくなったり、可動範囲が狭くなる→肩関節周囲筋炎、 俗に言う「五十肩(frozen shoulder)」の疑いがあります。
40代で発症しても四十肩では無く五十肩と言います。
これは老化現象の一つとも考えられ、60代や70代でも起こります。
上衣を羽織ったりするときのように、腕を上げながら後ろに回したときに痛むのが特徴です。
また、眠っているときに腕が後ろに回って痛みが出ないように無意識に腕を上げている場合があります。

「五十肩」の治療法

夜間痛を簡単にやわらげるには、肩当を肩に当てて寝る、脇の下に枕を挟んで寝返りをしないようにします。
痛みが強い当初は、鎮痛剤を使いながら肩関節が固まらない程度に軽く動かしながら過ごします。
痛みが治まってきたら、肩を温めながら肩を動かし始めます。
腕が上がらないときは腕を上げずに、腕を後ろにやるようにして肩を回します。
それから徐々に肩の可動範囲を広げる運動を繰り返します。
五十肩は特別な治療を施さなくても最長2年ぐらいで治癒します。
「五十肩」と同じような症状で、夜中に、突然、痛むものに石灰沈着性滑液包炎(bursitis calcarea)があります。
これは、肩腱板(肩甲骨と上腕骨頭を結ぶ小さい筋肉)に沈着したリン酸カルシウムが徐々に石灰化することで痛みが増し、滑液包内に流れ込んだときには激痛になります。

40、50代の女性に多く発症します。

石灰沈着性滑液包炎の治療法

殆どの場合は、次のような保存療法で治ります。
肩腱板や滑液包に注射針を刺してリン酸カルシウムを抜き取り、ステロイド剤や鎮痛剤を注入すると劇的に良くなる場合が多いようです。
保存療法で治らない場合には外科的に石灰化したリン酸カルシウムを除去します。

肩関節の痛みの他に、首や腕に痺れや痛みがある場合には頚部変形性脊椎症胸部出口症候群が考えられます。
痺れ・痛み・感覚麻痺を起こす病気2
野球などのように腕を振りかぶる動作が多い人で肩が痛む場合にはインピンジメント症候群(subacromial impingement syndrome)や上腕二頭筋長頭腱の炎症が考えられます。
インピンジメントはぶつかり合うという意味で、骨峰(上図参照)の下側に付いている滑液包が骨峰と上腕骨頭に頻繁に挟まれることによって炎症を起こすものです。

上腕二頭筋長頭腱は腕に力こぶを作る上腕二頭筋の肩側にあります。
上腕二頭筋は肩側で二つに分かれ、外側の長い方を上腕二頭筋長頭腱と呼び、この腱は肩甲骨についています。

インピンジメント症候群や上腕二頭筋長頭腱の炎症では、先ず、肩を動かさないようにし、鎮痛剤や消炎剤などで保存療法を行います。


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