身近な自然と科学
  1. 病気の豆知識

インスリン/グリコヘモグロビンAT/アミラーゼ

インスリン

インスリンは血液中のブドウ糖を筋肉細胞に導いてエネルギーを作るように働きます。
つまり、血液中のブドウ糖を消費させて濃度を低下させます。
インスリンの正常値は空腹時で血清1dlあたり20マイクロ単位、血糖は血漿1dlあたり110mg以下です。
健常人ではブドウ糖服用後血糖値が上がると直ぐにインスリン濃度も上がり、血糖値が下がるとインスリン濃度も下がります。
ところが、
糖尿病⇒では血糖値が上がってもインスリン濃度に全く変化が無いものと、少しだけインスリン濃度に変化があるものがあります。
前者の場合は注射でインスリンを補充しなければなりません。


グリコヘモグロビンAT

糖尿病の目安に使われる指標の一つです。
血色素中のAT部分が血漿中のブドウ糖結びついた割合を表したものです。
糖尿病の人の赤血球は健常人のそれより常に濃度の濃い糖分に晒されているので、AT部分が血漿中の糖分と結びついています。
この結びつきはゆっくり進行し、かつ結びついたものは離れることがありません。
このためATの値は、赤血球の寿命(45日から60日ぐらい)の約半分ぐらいの間の血糖値を反映していると考えられます。
ですから、
AT値は血糖値が日々大きく変動する人にとっては扱いやすい指標となります。
なお、ATにはATa〜ATeまであり、ブドウ糖に付くのはATcですが、他のものは小さいので区別しないで測定することがあります。
また、ATcはブドウ糖負荷試験における2時間後の値と比例関係になるため、ブドウ糖負荷試験をしなくても食前の血糖値とATcだけで糖尿病の診断が出来ます。


アミラーゼ

アミラーゼは、含水炭素(澱粉など)だけを消化する酵素です。
アミラーゼは唾液腺から口中へ、脾臓から十二指腸に分泌され、一部は血液中に入り、残りは尿と一緒に排出されます。
よって、
血液中のアミラーゼ量の増減で、唾液腺や脾臓などの状態を知ることが出来ます。
(唾液腺から出たアミラーゼと脾臓から出たアミラーゼは識別できるので、アミラーゼ量の異常の原因は判る)
また、血液中のアミラーゼと尿中のアミラーゼには相関があり、一方が増加すれば他方も増加するのが普通です。
ただし、アミラーゼの分子が大きい場合には尿に出難くなって血清中のアミラーゼ濃度が上がることがあります
(マクロアミラーゼ血症、特に病気では無い)
アミラーゼの正常値は、血清中150単位以下、尿中500単位以下
健常人では食事や運動で変動することは無く、男女差はありませんが、痩せている人は太っている人より血清中のアミラーゼは20%ほど高い傾向があります。
また、アルコールやある種の薬剤の服用で高くなることがあります。


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