身近な自然と科学
  1. 病気の豆知識

心電図による不整脈(心室頻拍)

心室頻拍は、心房から心室に収縮命令を伝える伝達系のヒス束(心室に命令を伝える部分)より心室に近いところが興奮(電気が発生)して心室が異常に速く連続して収縮するものを言います。
その内、心室の収縮が3連発或いは6連発異常続き、100発以内或いは30秒以内に自然停止するものを非連続性心室頻拍、100発以上或いは30秒以上連続して続くものを持続性心室頻拍と言いいます

心室頻拍の心電図

QRSの波形が異様で、QS間が大きい。
非連続性は心室が収縮するときに出すQRSの前に心房が収縮した時に出すP波が認められます。
しかし、持続性ではP波が認められません。それだけ持続性は心室の収縮状態が異常になっていることをあらわしています。
また、心室の収縮1回ごとにそれを表すQRS波形が異なるものと、毎回同じものがあります。
下図は非連続性心室頻拍時の心電図の波形の例

下図は持続性心室頻拍時の心電図の波形の例
非連続性心室頻拍時の心電図

心室頻拍の症状

心房から血液が心室に入っていなくても心室が収縮するために血液がうまく全身に送り出せなくなります、そのために、動悸、胸内苦悶感、冷や汗、血圧の低下、めまい発作、失神発作などが起きます。

心室頻拍を引き起こす原因

心臓に疾患がある人に起きやすいですが、非連続性心室頻拍は心臓に疾患が無い人にも起きます。


心室頻拍の治療法

非連続性の場合

心筋梗塞や心筋症などの基礎疾患が無いときにはライフスタイルの改善や抗不整脈剤を使用します
症状が強いときには入院して精密検査をして治療法を決めます

持続性の場合

抗不整脈剤の静脈注射か電気ショックで心室頻拍を止めますが、入院して精密検査をして治療法を決めます

心室頻拍の他に心臓疾患が無いとき

カテーテルアブレーションが根治治療として有効です。 これは、大腿静脈や上腕静脈から頻拍の原因を作る心臓内の興奮部分に電極を入れ、背中にもう片方の電極を当てて高周波を電極間に流し、興奮部分を電気で焼き切る方法です

心臓に基礎疾患がある場合

非連続性心室頻拍では副作用の少ない抗不整脈薬剤を選んで治療します。
持続性心室頻拍ではカテーテルアブレーションが使える病状が限られるので、心室細動に移行することが考えられる病状では 埋め込み型の除細動器を使うことになります
埋め込み型の除細動器は胸の皮下に埋め込み、心室細動を自動で感知し、電気ショックを与えて心臓の機能を正常に戻すものです

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