身近な自然と科学
  1. 病気の豆知識

心臓に持病がある、心臓が気になる方が注意したい症状

動悸がする

脈が跳んだり、速くなったり、或いは遅くなっりしています
動悸の殆どは精神的なものや飲酒、コーヒーなどの飲みすぎ、または心臓以外の病気です。
しかし、身体を動かしたときに動悸が酷くなるときには心臓病の疑いがあるので注意が必要です。
⇒ 心臓がドキドキする、動悸がする

息切れや呼吸が苦しいときがある

試験や披露宴など過度の緊張時に起こるものは塩基性血症(アルカローシス)によるもので心臓病とは関係ありません。
アルカローシスは呼吸が多くなって血液中の二酸化炭素分圧(簡単に言うと血液中に含まれる他のガスとの割合)が低くなるために血液がアルカリ性に傾き、 その結果、血液によって運ばれる酸素の量が減るものです。過喚起症候群が代表的なものです。
注意が必要なのは、階段の昇降で息が切れたり呼吸が苦しいときですが、加齢によって足腰が弱くなっていたり単なる運動不足が原因のことがあるので、健康チャック用の階段や上り坂を決めておく方が健康状態を把握しやすいです。
⇒ 息切れがあるを参照

夜中に息苦しくなって目が覚め、上半身を起こすと楽になる。枕が高くないと眠れなくなった

寝ると下半身と心臓がほぼ同じ高さになるので下半身の静脈血が心臓(右心)に戻りやすくなり、右心から肺に送られる血量が増加します。
ところが、心臓病の多くは左心が機能低下をするので血液を肺から全身に送る量が限られてしまいます。
その結果、血液が肺に滞留して息苦しくなり、時に悪夢を見せたりします。
目が覚めて上半身を起こすと肺の位置が上がるので重力の影響で肺に送られる血液量が少なくなり、楽になります。
枕を高くしないと寝られないのも同じ理由によります。


興奮したときに締め付けられるような胸痛が起こる、またはその痛みが左腕の内側や喉や歯にも走る。 或いは胸痛はそれほどでは無く左腕の内側や喉、左の奥歯が痛むことがある

心臓病で胸では無いところに痛みを感じるのは心臓から出た痛み信号が脊髄で他の神経と混線し、脳が誤認するためです。
⇒ 安静時、動いたときに感じる胸痛、胸の痛みが出る


胃の痛み、腹部の張り、食欲不振、嘔吐、下痢、吐き気などの消化器症状が続く

肺に血液を送る右心室のポンプ機能が低下すると、右心室の前段で身体を巡ってきた血液が戻る右心房に血液が入りきらなくなり、血液が静脈に滞留します。
その結果、全身が浮腫み、胃や腸管の静脈がうっ血することにより腹部が張って消化器異常と似た症状が出ます。
食べ物が胸につかえる感じがする(息苦しい)、胃に降りていかないような気がするなどは要注意です。
心臓病が原因で浮腫んでいるときは病気が相当進行していますが、三尖弁閉鎖症や拡張型心筋症、⇒ 心筋炎、 収縮性心膜炎⇒ 心膜炎など右心に負担が大きい病気では早期に浮腫むことが多いので、 漠然とでも心臓が気になり出して浮腫みがあったら心臓病を疑いましょう。
右心不全では血液が滞留するので肝臓にも負担が掛かり、肝臓が腫れ、黄疸が出ることもあります。


夜間に頻尿になり、1回の尿量も多い

心臓の機能が低下しているとき、起きている間は筋肉などに血液を送るのが精一杯で心臓に余力が無いので腎臓に行く血液量が減ります。 そのため、腎臓から排出できない血液中の余分な水分は血液に残り、血液量が水増で多くなります。 血液量が増えるので静脈の血圧が上がり、水分は血管から滲み出て皮下組織にたまって浮腫みます。
⇒ 浮腫みと病気を参照
寝ると浮腫みの水分が血液中に戻って血液が薄まります。
心臓の機能が酷く落ちていないときには、寝ることにより心臓に余力が出来るため、血液から余分な水分を除くために血液は腎臓に送られます、そして、頻尿になります。
前立腺肥大では頻尿でも1回の尿量は少ないのですが、心不全による浮腫みの場合には尿量も多くなります。


首筋が腫れる

脳内を巡ってきた大量の血液は頸静脈を通って直ぐに心臓の右心房に入りますが、右心室のポンプ機能が低下すると右心房内の血液が滞るので頸静脈にも血液が滞留し、首筋が腫れます。
ただし、頸静脈は肺気腫や喘息、風邪でも腫れます
⇒ 肺気腫

⇒ 気管支喘息

手腕の静脈がはっきり判り、手腕を上げても見え方が変わらない

右心の機能(全身から戻ってきた血液を肺に送る機能)が低下すると静脈血管に血液が滞留し、静脈の圧力が上がるので静脈が浮き出て見えるようになります。
健常人でも多少浮き出て見えることがありますが、手腕を上げると重力の影響で血流が妨げられるので圧力が下がって血管が見え難くなります。


手親指の爪の先端を軽くつまんだときに、爪に出来た白い部分とピンク色部分の境目が拍動するように動く

大動脈弁閉鎖症、動脈管開存症の疑いがあります
⇒ 先天性心臓病の早分かり


咳が出たり、声がかすれる

肺からの新鮮な血液を取り入れ、身体中に送る機能を持つ左心房・左心室の機能が落ちてくると、咳が出たり声がかすれることがあります。 咳は心不全によって肺や気管支粘膜がうっ血して起こり、身体を動かしたり、仰向けに寝たときに多く出ます。
声のかすれは心臓が肥大して喉の神経を圧迫することによって起きます。
咳や声のかすれは同時に起こることがあり、同時に起きたときには心臓病の疑いが濃くなります。
もちろん、咳や声のかすれは心臓病以外で多く起こる症状なので、心臓病の方や心臓の病気を気になる方は咳や声のかすれにも注意という話です


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