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  1. 病気の豆知識

危険な頭痛と頭痛が起きる理由

蚊に刺された後 3〜7日後(最長14日)に頭痛と発熱が起きたときは、デング熱も疑ってください。
⇒ 厚生労働省 デング熱に関するQ&A

頭痛は脳が発する痛みでは無い

頭には脳という最も重要な器官が入っていますが、脳の実質部分には痛みを感じる感覚器はありません。
頭の痛みは、硬膜(脳を覆い、頭蓋骨と接している膜)、 硬膜動脈、脳動脈、脳静脈、脳静脈洞(静脈が集まって脳から出る部分)などにある感覚器から発します。
そして、大脳を覆っている部分(テント上)の痛みは三叉神経へ、 小脳や脳幹を覆っている部分(テント下)の痛みは舌喉・迷走・上位顎の神経に伝わります。

私たちが日常感じる頭痛の多くは命に関わるものではありませんが、 重篤な病気の疑いがある場合には、医療機関で頭部のCT(エックス線を用いたコンピューター断層撮影)、 MRI(磁気共鳴画像)、MRA(MRIで得た画像から血管だけを抜き出した画像)で診断してもらう必要があります。


頭痛の症状と疑われる病気

蜘蛛膜下出血くも膜下出血(蜘蛛膜下出血)の疑いがあります。
くも膜下出血を参照
脳動脈解離激しい頭痛がする。
脳動脈解離の疑いがあります。
脳動脈解離だけの場合は激しい痛みだけですが、脳動脈解離によって出来た動脈瘤が破裂すると くも膜下出血になり、動脈を詰まらせると小脳梗塞になります。
ですから、激しい痛みの他に、めまい、嘔吐、悪心、歩行障害などがある場合には小脳梗塞が疑われます。
脳出血,脳腫瘍,脳膿瘍頭痛はそれほど激しく無く、身体の片側の麻痺や言語障害がある。
脳出血、脳腫瘍、脳膿瘍の疑いがあります。
血腫、腫瘍、膿瘍の大きさと、これらは出来た部位によって症状が異なります。大きさが小さいときは頭痛は起きません。
突発性頭蓋内圧亢進症早朝に頭痛(鈍痛)が多く、力むとより痛くなる。
突発性頭蓋内圧亢進症の疑いがあります。
ただし、脳腫瘍などの病気で頭蓋内の圧力が上がっていることがあるので注意が必要です
慢性硬膜下出血慢性硬膜下出血の疑いがあります。
硬膜は脳を包んでいる三層からなる髄膜の一番外側の膜で、硬膜下出血は次のくも膜との間に出血するもので、頭部に外傷を負いやすい子供や高齢者、飲酒者に多い病気です。
静脈洞血栓症静脈洞血栓症の疑いがあります。
静脈洞血栓症では頭痛を訴えるものが最も多いです。
静脈洞が血栓で詰まると、脳から流れ込む静脈血が滞るので頭蓋内の圧力が増して頭が痛くなります。
原因には、感染症、妊娠や薬剤服用などの非感染のもの、原因不明の突発的なものがあります。
髄膜炎,脳炎頭痛の他に、発熱、悪心、嘔吐、項部硬直がある(首の後ろが硬直している)
髄膜炎、脳炎の疑いがあります。
細菌性髄膜炎では多くの場合に意識障害も併発します。
髄液内の細菌検査をすると細菌性かどうかが判明します。
髄膜炎を参照
高血圧性脳症高血圧性脳症の疑いがあります。
拡張期血圧(下の血圧)が120〜140mHg、収縮期血圧(上の血圧)が220〜250mHgのときに発症する可能性が高いです
低髄液圧症候群髄液検査後、立ったり座ったりすると頭痛がする。横になると治まる。
低髄液圧症候群の疑いがあります。
多くは髄液検査後に発症しますが、突発的に発症することがあります。
偏頭痛偏頭痛の疑いがあります。偏頭痛は女性に多い)
偏頭痛の症状と発症する理由を参照
緊張型頭痛後頭部から締め付けられるような痛みが出、肩こりを伴うことが多い
緊張型頭痛の疑いがあります。
緊張型頭痛の症状と発症する理由を参照

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後頭神経痛後頭部が神経に沿ってピリピリと痛む。
後頭神経痛の疑いがあります。
後頭神経痛を参照
側頭動脈炎側頭部の動脈が赤く腫れ、拍動性の痛みがある。圧すと痛む。
側頭動脈炎の疑いがあります(高齢女性の多い)
帯状疱疹額にピリピリとした痛みが走り、疼痛部分に発疹が出来る。
帯状疱疹の疑いがあります。
帯状疱疹を参照
群発頭痛群発頭痛の疑いがあります(若い男性に多い)
群発頭痛の多くは同じ側で繰り返して起き、50〜60代になると治まります。
群発頭痛の症状と発症する理由を参照
三叉神経痛上顎部の痛みが発作的に繰り返し起こる。
三叉神経痛の疑いがあります。
三叉神経痛を参照
緑内障緑内障の疑いがあります。
緑内障を参照
副鼻腔炎上顎部が痛む
副鼻腔炎の疑いがあります。

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