身近な自然と科学
  1. 病気の豆知識
  2. 病状を改善する栄養素

美肌と骨粗鬆症:コラーゲン

身近な自然と科学【コラーゲン】Vol.165 2009/06/11

コラーゲンはアミノ酸が糸のように長く結合したもの3本が螺旋状に絡まって出来ているタンパク質で、身体中のタンパク質の3分の1を占めています。
コラーゲンが多量にあるのは、組織を結合する役割を担っているために筋肉や軟骨、骨、皮膚などのように形を保つものには必ず含まれる上、血液のように流動性が必要な細胞を除いて、他の細胞はコラーゲンで作られた立体的な網目(マトリックス)に寄り掛かっている必要があるからです。
骨はコラーゲンで作られたマトリックスにカルシウムや燐酸を含む化合物が沈着したものです。
 
コラーゲンを作る細胞は繊維芽細胞で、傷つい皮膚が治るのも繊維芽細胞によります。
繊維芽細胞の中では、ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンという、特別なアミノ酸からコラーゲンの素が作られます。
このとき、酵素の他に、特にビタミンCが必要で、ビタミンCが不足すると、3本のアミノ酸の糸が巧く螺旋状に絡まなくなります。
美肌のためにはビタミンCが必要な理由でしょう。
コラーゲンの元は繊維芽細胞の外に出されてから整形され、他のコラーゲンの素と結びついてコラーゲンに作り上げられます。
コラーゲンも老化したり傷ついたときには廃棄するために分解する必要がありますが、先述したように3本のアミノ酸の糸が螺旋状に絡まっているものがマトリックスを作っているので普通の酵素では切れません。
そこで、コラーゲンを分断する専門のマトリックス分解酵素(MMP=Matrix metalloproteinase)が出てきます。
MMPには色々なものがありますが、コラーゲンを構成している3本のアミノ酸の糸を一箇所に切断します。
これによってコラーゲンはばらばらになり、通常のタンパク質分解酵素で分解できるようになります。
このような、コラーゲンの生成は当然ながら繊維芽細胞が老化していない若い人
ほど頻繁に行われ成人になると鈍化します。
高齢になると、繊維芽細胞が老化し、コラーゲンの分解速度が生成速度を上回ります。
その結果、コラーゲンの量が少なくり、また、コラーゲン自体も老化してしまうために、骨の場合にはコラーゲンで作られたマトリックスが貧弱になるために骨粗鬆症を招くようになります。
肌の場合はそれに加えて、コラーゲンを他のコラーゲンに結び付けているものが老化して硬直化するために弾力性を失い、肌が弾力性を失うことになります。
コラーゲンが弾力性を失う原因は、細胞や物質を酸化させる活性酸素の他に、タンパク質(アミノ酸)と体内に存在するグルコースが反応するメイラード反応があります。
メイラード反応は古くから食品業界で問題視されているもので加熱すると反応が
急速に進み、食品を茶っぽくさせてしまいます。
体内では、この反応は若い人には少なく、糖尿病患者に多いことが知られています。
ですから、美肌を保つには、糖尿病にならないようにすることです。

次に、活性酸素の生成を減らすことです。
活性酸素は呼吸によって否応無く生成されてしまうものなので、過度な酸素消費即ち過度な運動はしないことです。
分子細胞学的には運動しないことが老化を遅らせることだと言われています。
(適度の運動をしないと成人病に罹るリスクが増えるので全く運動しないのは健康上はよくありません)
そして、活性酸素から守る効用があるビタミンC、ビタミンEを摂ることです。
特に、ビタミンCは活性酸素によって酸化されたビタミンEを還元して再び活性酸素に立ち向かえるようにするので重要です。

プライバシーポリシー

連絡先(fnas_web@yahoo.co.jp)