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OrbitronでSDRSharpの受信周波数を制御する

低軌道を周っているNOAAなどの気象衛星やアマチュア無線用の衛星などは、 地平線の向こうの遠くから近づき、受信点に近いところを通って、再び遠くへ去って行きます。
このような場合、衛星が出している電波を受信していると、近づいてくるときは周波数が上がって行き、 去って行くときは周波数が下がって行きます。 この現象をドップラー効果と言います。

ドップラー効果によって変化する周波数は数キロヘルツですが、受信信号が歪むので気象衛星などでは画像が乱れ、 アマチュア無線などの微弱な電波では周波数変動を見込んで帯域を広くすれば信号が雑音に埋もれて了解度 が落ち、 帯域を狭めれば雑音は減りますが受信周波数がずれるので受信不能になってしまいます。
そこで、衛星から届く電波の周波数の変化に合わせて受信機の受信周波数を変えるようにします。
手動で受信周波数を変えてもよいのですが、 衛星の通過時刻などを表示してくれるソフト「Orbitron」ではドップラー効果で変化する周波数も教えてくれるので、 Orbitronで受信機ソフトSDRSharpの周波数を制御します。

ここでは、最新版のSDRSharpが既に受信できる状態でインストールされているとします。
先ず、myDDE.zip(http://www.stoff.pl/downloads.php)と
DDETrackerV7Binaries.zip(http://www.satsignal.eu/software/DDETracker.html)をダウンロードして適当なところに展開しておきます。

myDDE.zipを展開して出てきたDDEフォルダーを丸ごと、Orbitronフォルダーに入れます。
Orbitronのフォルダーの中にあるConfigフォルダーの中にある「Setup.cfg」をメモ帳などで開き

[Drivers]
MyDDE= MyDDE.exeのパス(例 C:\orbitron\DDE\MyDDE.exe)
を加えます。
DDETrackerV7Binaries.zipを展開し、出てきたファイル全てをSDRSharp.exeがあるフォルダーに入れます。
SDRSharpフォルダー内のPlugins.xmlに
< xmp > < add key="DDE Tracking Client" value="SDRSharp.DDETracker.DdeTrackingPlugin,SDRSharp.DDETracker" / > < /xmp >
を追加します

いよいよソフトの起動です

  1. Orbitron 起動する
  2. SDRSharpを起動する。SDRSharp の左に表示されている DDE Tracking Client を広げ、

    OptionボタンをクリックしてWiSP DDE Configuration ダイアログが出るのでOrbitron を選択、

    WiSP DDE ConfigurationのConnectボタンをクリックする(ConnectボタンがDiscconnectボタンに変わる)
  3. Orbitron の「ロータ/無線」タブで、ダウンリンク周波数に衛星の周波数、ダウンリンクモードにFM-W、 ドライバーにMyDDEを選択し、その右にあるボタンをクリック(MyDDE Client のダイアログが出る)

  4. SDRSharp を受信状態にする(受信周波数と受信モードがFM-WがOrbitronで指定した値になる)

SDRSharp の受信モードは、FM-W で帯域を50~60KHzに狭めてください。