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鉛シールドバッテリー(メンテナンスフリー、密閉型)にはパルス充電器は使えない?

自動車用バッテリーとして広く使われている鉛バッテリーには、 昔からある開放型(電界液の補充が必要な物)メンテナンスフリーと言われる物や置く向きを指定されない密閉型があります。
メンテナンスフリーや密閉型は充電中に発生する水素ガスを内部で吸収して水に戻している構造上、 開放型の様に水素ガスの発生を気にせずにガンガン充電すると最悪バッテリーが破裂することがあります。

手許に有る無停電源装置(APC RS-550)のバッテリーが鉛シールド型だったので、自作パルス充電器でパルス充電してみました。
無停電電源装置(APC RS- 550)の概観写真
無停電源装置というのは、落電などで商用電電源が落ちてしまったときにパソコンなどに一時的に電気を供給するものです
充電に使用したパルス充電器は、 ⇒自動車バッテリー用パルス充電器を自作してみた の追記に書いたものです。

パルス充電前は、無停電電源装置(APC RS-550)の100V出力に 60W型白熱(消費電力57W)を接続して32分間点灯しました。
自作パルス充電器でシールドバッテリーの充電中の写真
自作パルス充電器を接続した状態でのバッテリーの電極間電圧は
9/16 充電開始時13.1V
9/17 13.4V
9/18 13.5V
9/19 13.8V
9/20 13.8V
9/21 13.9V
9/22 14.3V
9/23 14.0V
9/23 13.9V
不思議な事に端子間電圧が下がってきました。
自動車用の開放型バッテリーを3個充電した経験では、 徐々に上がり続けてある電圧で安定します。
嫌な予感がしましたが、的中しました。
無停電電源装置に装着し、1時間ほど商用電源に通電してから60W型白熱電球を接続すると、28分間で消えてしまいました。
その後、12時間通電した後でも28分間で消えてしまいました。
パルス充電で機能復活どころか4分間短くなっているので機能劣化です。

無停電電源装置(APC RS-550)に装着しての充電では、 放電したバッテリー装着して商用電源に通電した直後の端子間電圧は12.4V、 12時間後は12.6Vでした。
充電時の水素の発生を抑えるために低い電圧での充電です。