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格安デジタルテスター AD-5526,DT-830B

少年時代から電気回路計と言われるテスターにお世話になってきましたが、デジタルで売価が千円以下のテスターをはじめて見ました。
(ホームセンターで税込み880円で購入)
と思ったのは、昔の話で、8%税込み648円のテスター(DT-830B)のお世話になっています。

テスター DT-830B

テスター DT-830B

写真で判るように、トランジスターの hfe 測定、ダイオードの良否判定、直流電流10Aまで測定できます。
トランジスターの hfe は、電流増幅率と言われるもので、トランジスターベースに流れ込む電流とコレクターとエミッター間を流れる電流の比です。 hfe の値が規格に近ければ正常なトランジスターということになります。
また、ステレオの音声信号を増幅する回路ではトランジスターは左右の回路で特性が同じものが必要です。ペアーで売られているものを購入するのが確かなのですが、 手許にあるトランジスターで代替するときには hfe を測定して値の近いものを使います。 端子間の容量や温度特性も揃えるのが理想的ですが、最低限 hfe を揃えないと片方だけ歪んだり音量が違ってしまうことになります。

ダイオードの良否測定機能は、抵抗測定回路ではテスター棒間の電圧が高すぎてダイオードを壊してしまうことがあるのでテスター棒間の電圧を低く設定し、 また順方向電流が大きくならないようにしてあるだけです。 小信号検波用ダイオードなどは注意して測定しないと壊れる可能性があります。
直流10Aの測定機能は何に使うのだろう?と考えたら、自動車に使われている鉛バッテリーの充電時に使えますね。

DT-830Bの電源は9V乾電池で入手は容易なのですが、オートパワーオフ機能が無いのでレンジ切り替えツマミをOFFにしておかないと電池切れになってしまいます。写真見て判るようにツマミの回転位置を示す矢印が同色なのでOFFにし忘れることがあります。
売価3000円ぐらいするデジタルテスターでは、電池は入手容易なボタン電池、電源を切り忘れても自動的に切れますから、価格なりです。電源切り忘れさえ無ければ趣味用としては良い物です。

テスター AD-5526

最初に購入した格安のデジタル・テスターは、株式会社エー・アンド・デイ社の「デジタルマルチメータ AD-5526」です。
下の写真はコンセントでの家庭用電灯線の電圧を測っているところです。
AD-5526
機能を切り替えるスイッチ部分が機能毎に色分け表示されていないので、使い方に慣れるまで時間が掛かりそうですが、電気がきているか知るために電圧を測ったり、電線が断線していないか抵抗を測るなど必要最低限の機能は付いているので、自動車の電気周りや家電品の簡単な故障箇所探しや修理、電気工作には使えます。
ただ、計測レンジ の設定が自動では無いので少々不便です。

それと、最高電圧300ボルトのレンジにしたときに、感電に注意するように表示されますが、この機能は余計なお世話です。
300ボルトに設定した時点で感電の危険性があることは判っています。
計測レンジが自動で、且つ、テスター棒に4,50ボルト以上の電圧が掛かっているときに表示されるのならありがたいですが。

変わった機能は「電池チェック」です。
通常、テスターで乾電池の電圧を測るときには、乾電池の開放電圧を測っています。
開放電圧は乾電池から電流が流れていない状態の電圧で、これが正常の値を示していても、電球やモーターなどの負荷を繋ぐと電圧が下がってしまって電球が点かない、モーターが回らないということがしばしばあります。
ですから、乾電池が消耗していないか調べるには負荷を繋いで電圧を測る必要があります。
このテスターの電池チェックでは、1.5V乾電池の測定時には60Ω、9V乾電池測定時には1.8KΩの抵抗に電流を流させて電圧を測っています。
手許にあった1.5ボルトの単4乾電池を測ってみたところ、通常の直流電圧計測モードで、1.18ボルト、電池チェックモードで1.08ボルトでした。

その他に50ヘルツの方形波を出力する機能がありますが、オーディオアンプの修理の際に擬似信号として使うには周波数が低すぎますし、コンデンサーやコイルの測定に使うにはもう一台テスターが必要です。
この機能を何に使うかは購入者の知恵の出しどころでしょうか。

この売価ですからお買い得なテスターだと思ったのですが、難がありました。
電源が12Vアルカリ積層乾電池なのです。
9Vならまだしもこの電池はテスターに使うには高価すぎます。
安価に入手できる単三か単四乾電池が使えるように設計して欲しかったです。
難があるから売価が安いんですね。安いにはそれだけの理由があるってわけで気をつけましょう。