ギリシャ神話序章
ギリシャ神話作家は次のような時代を考えたようです。
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第一の種族
先ず、神によって少数の人々が創られました。
この時代は人口が少なく、野山や海の幸だけで十分に食料が賄えたので人々は争うことを知らず、 病は無く、命は永遠に続き、人々はクロノスに従って幸せに暮らしていました。
この時代を黄金時代と呼び、この時代の人々は今も長閑な自然の中で生きています。 -
第二の種族
次に生まれたのが「白銀」と呼ばれる時代です。
この時代の人々も神によって創られましたが、農耕を知り、小麦で作ったパンを常食とし、 飢えから解放されるようになると人口が増え、それに連れて争うようになりました。
しかし、母親に逆らうことは無く、そして仲同士では争うことがありませんでした。
この時代の人々はゼウスによって滅ぼされてしまいました。 -
第三の種族
「とねりこの木」から生まれた人々の時代です。
この時代の人々は神を敬わず、高慢で、青銅器で作られた武具を身に着けて争そい事を繰り返したので、 黒い神によって滅ぼされてしまいました。
*とねりこ:日本にも自生、モクセイ科の落葉小高木、樹皮が生薬になる -
第四の種族
この時代も青銅器を使いますが、人々は、神を父、人間を母として生まれ、気高い心を持っていました。 -
第五の種族
鉄を使う人々の時代で現代に至っています。
ギリシャ文明は、古代エジプトによって迫害されたリビア人がクレータ島に創った文明と ギリシャ本土北方の文明との融合だと考えられています。
第二の種族が女尊男卑の「月の女神」を崇拝するクレータ文明、第三の種族が男尊女卑の北方系の文明、 第四の種族が前記2つの文明が融合したものと考えられます。
(融合しても男女平等では無く、男尊女卑です)
第一の種族は、蜜蜂を女神としていた野蛮な種族だったようですが、 神話作家「ヘーシオドス」が自身の生活苦から理想郷にしてしまったようです。