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曇る鏡と曇らない鏡の違いと、鏡を曇らないようにする方法

お風呂に入っているとき、浴室の鏡が曇ってしまうことがありますね。
これは、浴室内の温かくて湿った空気が冷たい鏡に触れて、空気中の水蒸気が液体となって水粒の形で鏡の表面に付いたからです。住宅のカビ発生原因となって問題になる結露と同じ現象です。外気が寒いときに家屋の窓ガラスや自動車や電車のガラス窓が曇るのも結露です。
鏡に水滴が付き始めたときの鏡表面の温度を露点と言い、露点と気温から湿度が求められます。
鏡が曇らないようにするには自動車の電熱線入りガラスの様に温めて露点まで鏡表面の温度を下げなければよいのですが、今、浴室に付いている鏡を曇らないようにしたいという方には向きません。

鏡の表面に結露によって水が付いただけでは曇りませんが、その水が粒になると曇ります。
水粒に光が当たると、水粒の表面では反射、水粒に入った光は屈折したり水粒内部で反射して外に出ます。水粒に当たった光は向きや強さを変えてあちらこちらに反射します、散乱するのです。この点は、同じ水粒である霧や雲が光を遮るのと同じです。
このような水粒が表面に多数有る鏡では鏡の用を足さなくなるのは当然ということになります。白色光は散乱すると白く見えるようになるので、細かい水滴が付いて曇った鏡も白っぽくなります。白色光の散乱によって白く見えるものには、製造時に空気を入れて散乱させて白く見せる晒し飴があり、食用にする大根の白さも意外や意外光の散乱によるところが大きいのです。

では、なぜ、鏡の表面の結露が水粒になるか?
草や樹木の葉の上で、雨水や朝露が水玉になっているのを見たことがあると思います。傘や防水加工してある布地、ビニールなどの上に水滴を垂らしても、水 が薄く伸びないでこんもり盛り上がります。
表面張力によって出来た水の持ち上がりの写真
( ポリプロピレン板上に出来た水の盛り上がり)
防水加工してある布地やビニールのように水を弾く物の上では、水との相性が悪いので水分子は近くの水分子と結びつき、最も安定した形になろうとします。これを表面張力と呼びます。
宇宙ステーションや人工衛星の中、自由落下中に出来る無重量状態では水は完全な球形になります、地球上では重力の影響を受けるので上下方向に扁平します。
雨雲から落ちてくる雨は、重力の他に風圧を受けるので、上下方向に扁平した上に底面の中央部分が凹みます。

垂らした水がこんもりとなるかならないかは、水が落ちたところの物質と水の相性で決まります。 新聞紙のような紙や洗いざらした綿布に水を垂らしても水がこんもりとなりません。
下図で示した接触角が大きいほど相性が悪く、鏡の場合は曇ってしまいます。
表面張力の接触角の説明図

ガラスと水の相性を良くすると曇らない

普通の鏡は表面がガラスなので水との相性が悪いために水滴は盛り上がり、上図で示した接触角が大きな水粒が多数付きます。
そこで曇らないようにするには、ガラスの表面を水と相性の良いものにして水滴が盛り上がらないようにすればよいことになります。 といっても、そう簡単ではありません。表面を水と相性の良いものに換えても油分が付いてしまえば水との相性が悪くなってしまいます。
そこで、 既存の鏡を曇らないようにするには、液体洗剤を鏡の表面に塗ります。
洗剤の主成分の界面活性剤の分子には水と仲の良い部分(親水基)と油と仲がよい部分(疎水基)があるので、ガラスに塗ると、水と仲の良い部分が外側を向くので水粒が付いても接触角が小さくなります。
下図は分子の大きさや形を無視したイメージです。
界面活性剤が鏡を曇らなくさせるイメージ図

市販されている曇り止めは、界面活性剤です。
普通の鏡に貼って曇らないようにするフィルムも半年から1年間ぐらいしか効果は持続しないようです。
ダイソーで売られている鏡に貼る曇り止め
2019年6月23日に百円ショップのダイソーで見かけた「鏡に貼る曇り止めフィルム」です。
サイズは19×15cm 108円 使用期間6ヶ月 PET製(ポリエチレンテレフタラート)