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超簡単、試してみても損はない冷蔵庫の修理法

冷蔵庫の故障と言えば、程度の差こそあっても「冷えない」ということです。
冷凍庫にアイスクリームを入れている場合は、アイスクリームがいつもより柔らかく感じたら要注意です。というのは、氷よりアイスクリームの方が溶け出す温度が高いので故障に敏感なのです。
油揚げを冷凍室に入れて置いた場合は手で曲がる程度に軟らかくなっていたら、冷凍庫内の温度が下がっていません。
冷蔵庫内の温度上昇はプロセスチーズが軟らかくなることで判りますが、 冷蔵庫用の温度計があるとはっきりします。
100円ショップで売っている温度計 はプラスマイナス2度ぐらいの誤差がありますが、目安にはなるので用意しておくと便利です。
アイスクリームを保存する 場合の冷凍庫はマイナス18度、冷蔵庫はプラス4度ぐらいまで下がらないと食品の保存に不安があります。

冷蔵庫の修理法

  1. 冷蔵庫の背面(特に下)や側面(特に奥)を触ってみて温かいか確認します。
    ここには冷蔵庫の仕組みのところで書いた放熱器が入っているので、冷媒ガスが気体から液体に変わっていれば熱くなるはずです。
    背面か側面の一方でも熱く感じればOKで、熱くなっているのに冷えない場合は、食品の詰め込み過ぎで冷気が庫内を循環しない。 または、扉の周囲に付いているゴムパッキンが傷んでいて冷気が漏れている可能性がありますので点検してください
  2. 1で熱く感じない場合は冷媒ガスが漏れているか、コンプレッサー(圧縮機)が止まっています。
    電源を入れてある状態で冷蔵庫の側面に耳を当てて音を聞いてください。時折、水が流れるような音が聞こえれば冷媒ガスは漏れていないと思います。
    この音は冷媒ガスが液体になって流れているときに出るもので冷蔵庫が止まっているときにも聞こえることがあります。
    この音が聞こえないときはガス漏れの可能性があり、修理費は買い替えを考えるほど高額になります。
    音が聞こえなくても、たまたま聞こえなかったということが多いので次に進みます。
  3. 軽い「ブー」という音は冷気を循環させるファンの音で、扉を開けると止まります。
    ファンの音が聞こえないときはファンに霜が付いて動いていない可能性があります。
    重い唸りはコンプレッサーの音で、冷えていないときは聞こえない(止まっている)と思います。
    ファンの音が聞こえても聞こえなくても次へ進みます
  4. いよいよ修理です。
    と言っても、冷凍室や冷蔵室に入っている食品をクーラーボックスや発泡スチロールで出来た箱に退避させ、冷蔵庫のコンセント抜いて、冷蔵室と冷蔵室の扉を開け放つだけです。 (室温が高いときは冷蔵室の扉は閉めたままでも大丈夫なこともあります)
    冷蔵庫の扉は自然に閉まるように傾いているので、扉の周囲に付いているゴムパッキンを傷つけないように注意して、何かを扉にかませて閉じないようにしておいてください。
    開けておく時間は夏季のように室温が高いときは3時間ぐらい、冬季のように室温が低いときは数日間か、暖房で冷蔵庫の中に温かい空気を入れれば時間は短く出来ます
    この間に、冷凍室をお湯で湿らした布なので拭いて掃除をすると良いでしょう。
    久しぶりに故障したときは酷暑だったのに一晩掛かりました。

故障が直る理由

こんな事で故障が直る理由ですが、冷蔵庫の故障の内、コンプレッサーの故障や冷媒ガス漏れといった致命的なものを除けば、殆どの故障は「霜取り装置」にあります。
(コンピューター制御やインターネットを介してスマホなどで制御できるような最新式冷蔵庫の冷えない故障の原因も同じです。 以上の方法で直らなけれ ば素人では手に負えません。修理に出せば基板交換です。昔々は電気屋さんが半田鏝を片手に直しましたが)
冷蔵庫の仕組みのところで説明した「冷却器」はマイナス数十度まで下がる為、 冷蔵室内や冷凍室内の空気に含まれている水蒸気が気体から一気に固体(氷)に変わって冷却器に付着します。
気体から液体に変われば水として流れてしまいますが、水の段階を飛び越えて氷になるので付着してしまいます。
これを昇華と言います。
冷却器に付いた氷(霜)はだんだんと積もり、冷却器が周囲から熱が奪えなくなり、保護装置が働いてコンプレッサーが止まってしまいます。これが冷えない状態です。
正常時には、自動的に霜センサーが霜が積もったことを感知してコンプレッサーと送風ファンを止めてからヒーターで霜を溶かします。 または、例えば8時間おきにタイマーが作動してヒーターで霜を溶かします。
ですから、「冷えない」という故障は霜の材料になる空気中の水蒸気が多い初夏から秋まで多く、冷凍室の扉を開け放って、 奥のパネルの向こう側にある冷却器に積もった霜を溶かせば直るという訳です。

しかし、「冷えない→冷凍室の扉を開け放つ→冷える」の現象を繰り返すようでしたら、霜センサー、タイマー、 ヒーターが壊れている可能性が高いので時間のあるときに修理を頼んだ方が良いです。
コンプレッサーの修理費は4万円~だそうで、保障期間が過ぎた場合は修理より買い替えを考えた方が良いようです。 ただ、コンプレッサーの保障期間は多くのメーカーで5年間程度と本体より長いので確認してください。

もうひとつ、どこにも異常が無いのに(直したのに)電源を入れてもコンプレッサーが動き出さない場合があります。 これはタイマーがコンプレッサーを動かす時間に入っていないか、タイマーの故障です。
電源を入れたまま数時間放置すればタイマーの故障かどうか判ります。
古い機種で機械式タイマーの場合は冷蔵室の温度調節ツマミのそばにドライバーが入るほどの孔があって、ドライバーを挿し込んで回すとコンプレッサーが動き出します。

思いついたのですが、上記の方法で一時的に直った場合には、リサイクルショップ(中古品店)で売れますね。
リサイクルショップで故障していないか調べるために電気を入れても数週間以上は(湿度の低い時季や食品を入れないで開閉を殆どしなければもっと長期間)正常に冷えますから正常品となってしまいます。
逆に言えば、リサイクルショップで冷蔵庫を買う場合には注意しなければならないということです。
もちろん、部品まで検査して売っている店は安心です。