冷蔵庫が冷えるしくみ

冷蔵庫が冷えなくなってしまいました。
冷蔵庫ってどうして夏ばかり故障するのでしょうね・・・
夏季にトラブルが多い原因は・・・
理屈より早く試してみたい方は
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冷蔵庫が冷える理由を簡単に説明します

温度が下がる理由は、液体が気体になるときに周囲から熱を奪うからです。気化熱です。
気化熱の説明によく使われるのが、注射のときに皮膚を消毒するために、アルコールを含ませた脱脂綿で皮膚を拭いてもらうとひんやり感じることや、夏の暑い日に庭や道路に水を撒 くと涼しくなる「打ち水」です。
液体が気体になるときに周囲から熱を奪うのは、液体を構成する分子より気体の分子の方がエネルギーを必要とするかです。
気体(例えば水蒸気)は空間を飛び回るのでエネルギーが必要、逆に個体(例えば氷)の分子は隣の分子と強く結合し、動かないのでエネルギーが必要無いと考えると理解しやすいです。
気体になるには エネルギーが必要だから周囲から熱エネルギーを奪い、奪われた方は温度が低くなるということです。
逆に気体を液体に変える時には熱エネルギーを棄てなければならないので周囲の温度が上がります。
まとめると、液体が気体になるときは周囲から熱を奪う、気体が液体になるときは周囲に熱を与える。

冷蔵庫が冷える仕組み

冷蔵庫の冷却の原理説明図

  1. 冷媒と言われる気体(フロンの代替品)をコンプレッサーで圧縮して液体にします。 気体を液体にすると周囲に熱を与えるのでこの液体は熱くなります。
  2. この液体を放熱器に通して冷まします。
    放熱器がある場所は外観からは判りませんが、空気中に熱を逃がしているので冷蔵庫の側面や背面を触ってみると温かいので直ぐに判ります。
    (昔の冷蔵庫は放熱器を背面に露出させていました)
  3. この液体を小さなノズルから気圧を低くした容器の中に放出します。
    気圧の低いところに出された 液体は(沸点より低い温度で)気体になり、このときに周囲から熱を奪って容器を冷やします。
    この容器(冷却器)には周囲から熱を奪いやすくするために熱がよく伝わる銅やアルミで作られた薄い羽状のものが付いています。
    冷却器が冷凍庫に付いているのが直冷式、冷却器に送風機で空気を当てて、冷えた空気を冷凍室に送り込むのが間接式といわれます。
    冷蔵室には冷凍庫を冷やした残りの冷気が送り込まれます。(冷凍庫と冷蔵庫に専用の冷却機を使っているものもあります)
  4. 気体になった冷媒はコンプレッサーに送り込まれて再び液体にされて1に戻ります。
以上が冷蔵庫の仕組みです。コンピューターやインターネットで制御するような最新式の冷蔵庫でもこの仕組みは同じです。 エアコンの冷房も冷蔵庫と同じ仕組みです。

冷蔵庫が実用化されたときにフロンが冷媒として使われていたのは、液体から気体に変わる沸点が零度以下で容易に気体になり、また、不燃性で安定している物質だったからですが、 大気中に放出されたフロンがオゾン層を破壊するといわれて今は代替品が使われています。
冷房機には冷媒に水を使う方法がありますが、周知の様に水の沸点は100度なので、気化熱を利用することに変わりはありませんがフロンやその代替品を使った冷房機とは構造が違います。 電気を使っても出来ますが、ガスで冷房するものに水を使った冷房機があります。
冷風を出すと謳うものに冷風扇があります。水を補給する冷風扇は庭や道路に水を撒くのと同じで、風通しのよいところで使わないと湿度が高くなって蒸し暑くなるだけです。