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フリスビーが飛ぶ理由

「フリスビー」というのはプラスチック製の円盤です(円いお盆のような形)テレビの動物番組には、“投げ、犬に空中でキャッチさせる”場面がよく出てきます。
不思議なのはボールなどを投げたときより遠くまで、時には紙飛行機の様に風に乗って飛ぶことです。
フリスビーを投げるときには手首を使って円盤を回転させるようにします。これはフリスビーを安定させるためです。 独楽が回っていると安定していて、回転が止まると倒れてしまうのと同じです。
しかし、遠くまで飛ぶ理由は回転では無く、フリスビーの形状にあります。フリスビーを円の中心で切った断面は下図のようになっています。
フリスビーの説明図断面
独楽のようにフリスビーは中心から全ての部分が点対象に作られていますが、 断面だけ見ると飛行機の翼の断面に似ていることに気づくと思います。

このフリスビーを向かって左側に投げたとすると下図のようになります。
フリスビーが飛ぶ理由の説明図
無風のときでもフリスビーが左に動けば周りの空気は相対的に右に流れたのと同じになり、 フリスビーの上面に沿って流れる空気には遠心力が働き、そのためにフリスビーの上面の空気は上方に行きます。 そのために、フリスビーの上面近傍の空気が少なるので気圧が低くなります。( 流線曲率の定理)
その結果、フリスビーの下側との大気圧とのバランスが崩れて図の赤い矢印のようにフリスビーを上方に押し上げます。
飛行機も流線曲率の定理で飛ぶという説があります。