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列車がカーブを曲がれる理由

電車や機関車は、なぜ、カーブしている線路を走れるのでしょうか?
模型電車は実際の線路には無いような急カーブをいとも簡単に走り抜けていますから、 レールに沿って走れば自然と曲がると考えがちですが、実際の列車では間違いです。
道路上を走る自動車の様に前輪を曲がる方向に向けているというのも間違いです。
自動車の場合も左右の前輪を進行方向に向ければスムーズに曲がれる訳ではありません。左右の車輪の回転数を変えるのはもちろんですが、車輪の傾きも左右異なっています。

自動車の話は別の機会にするとして、今回は列車です。
下図は90度右にカーブしている線路の模式図です。
列車がカーブを曲がれる理由の説明図
左の車輪はレールAB を通り、右の車輪はレールA´B´を通ることになりますが、見て判るように外側のレールABの方が内側のレールA´B´より長くなっています。 こんな急カーブの線路は実際には無いですが、もっと緩やかな右カーブでもレールABの方が長いことは同じです。
ということは、右カーブの場合には左の車輪は右の車輪より回転数を上げないとレールの上を転がれないことになります。 ところが、列車の車輪は、ごく一部の車種を除いて、左右の車輪は車軸に直結されているために左右の車輪の回転数を変えることは出来ません。 Simple is Best と言いますから、大きな加重を支えるために単純な構造になっているのでしょう。
単純な構造はよいとしても、左右の車輪の回転数が同じで転がる距離が異なっていては、 車輪とレールとの摩擦が大きくなり、エネルギーロスが増えたり、車輪車軸が壊れたり、脱線するかも知れません。
そこで、列車の車輪は
列車の鉄輪
下図のようになっています。
左右の車輪の内側に付いているフランジは、レールから車輪が外れないようにしている出っ張りです。レールがフランジを乗り越えると脱線します。
列車がカーブを曲がれる理由を説明するための車輪の模式図
重要な点は、フランジでは無く、左右の車輪共に、直径が内側に向かって大きく、外側に向かって小さくなっていることです。
車輪が1回転する間に進む距離は、車輪の直径×円周率ですから、 直径が大きくなっている内側にレールを接触させているときは1回転でも外側の細い部分にレールを接触させているときより長くなります。
このような仕組みの車輪が右にカーブした線路に入ると、遠心力によって車輪は下図のように左に押しやられます。
列車が右カーブを曲がっているときの車輪の模式図
すると、左車輪は直径の大きな内側がレールに接触し、右車輪は直径の小さな外側がレールに接触します。 これによって、同じ回転数でも左車輪は長い距離走り、右車輪は短い距離走ることが出来ます。
左に曲がる場合は、遠心力で車輪が押される方向が右になるので下図のようになります。
列車が左カーブを曲がっているときの車輪の模式図
また、線路がカーブしているところでは、線路が左右方向に傾いています。これは、遠心力と重力を合成した力の方向が鉛直方向に対して傾いているからです。 人間は頭と足を結んだ直線下方向から重力を感じていないと不快になります。







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