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ヒートパイプの簡単な説明

リサイクルショップのジャンク箱で、ヒートパイプを利用したCPUクーラーを見つけました。 CPUクーラーとはパソコンの演算装置(CPU)が発生する熱を空気中に放散させてCPUの温度を下げるもので、 ヒートパイプは熱を効率よく移動させるものです。
下写真が今回購入したCPUクーラーです。
デスクトップパソコン用CPUクーラー

ところで、CPUの様に発熱する物を冷やす簡単な方法は冷たい風を当てることです。 電気製品の筐体(機器を収めている箱)に多数の孔を開けてあるのは筐体内の熱い空気を放出して冷たい外気を入れるためです。
次に、発熱する物に熱伝導率の良い銅板やアルミ板を接着してこれらの板から放熱させます。発熱が多い場合は送風機で外気を銅板やアルミ板に当てて効率よく熱を放散させます。
さらに発熱量が多い場合は発熱体に接着する銅板やアルミ板の表面積を多くします

ところが、発熱する物が小さい場合にはそれに付ける銅板やアルミ板の表面積を大きくするだけでは足りなくなります。 極端な話、1m×1mの銅板の一角を熱くしても熱は他の角には伝わらないのは直感で解ると思います。 大きな銅板のあちらこちらに熱源を移動できれば大きな銅板を効率よく利用できます

この熱源の移動方法に使えるのがヒートパイプです。
上写真の右側の図がヒートパイプの原理図です。丈夫な銅管の一方を塞ぎ、その中に少量の水を入れ、銅管内の気圧を下げてから銅管の他方も閉じます。 原理的にはこれだけでヒートパイプの完成です。(管内に入れた水を作動流体と言います)

ヒートポンプの動作・原理

  1. この銅管を垂直に立て、下端を熱源につけます
  2. すると、銅管内の気圧を低くしてあるので、数十度で銅管内の水は水蒸気になりますが、このときに熱源から熱を奪います(気化熱
  3. 水蒸気は僅かな気圧差があるために上部に移動します
  4. 銅管の上部に放熱用の銅やアルミの板を多数つけ、必要に応じて送風機で風を当てて冷やします
  5. すると、銅管の上部に移動していた水蒸気は熱を奪われて(凝縮熱)水になり、銅管の下に落ちます
  6. 銅管の下に落ちた水は再び熱源から熱を奪って水蒸気なり、2に戻って繰り返されます

銅管の下(熱源)では周囲から熱を奪い、銅管の上では熱を放出する訳で、熱エネルギーが水の気化熱を利用して移動したことになります。
実際のヒートパイプには、水を下に戻すために毛細管現象を利用するために、管の内側に溝を彫ったり、内側に細い線を這わせたりします(ウイック)。
ヒートパイプはウイックが良く出来ている場合には横にしても使えますが、凝縮して出来た水を重力を利用して熱源に戻すのが好都合なので立てて使うのが基本です。

また、30〜200度以内で使うヒートパイプではパイプの材質は銅で作動流体は水ですが、 低い温度で使用する場合は作動流体が水では蒸発しないので、作動流体には沸点温度が低いアルコールやフロンなど、管は銅管が使われます。逆に高温で使用する場合はステンレス管にナフタリン(沸点218度)などが用いられます。

私たちが身近に見られるヒートパイプには気化熱が大きい水が入っているものが多いのですが、 圧力釜と同じなので加熱し過ぎると破裂しますから、使用するヒートパイプの上限温度を超える可能性がある機器での使用では温度の抑制機構が必要になります。







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