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温度はどこまで上がるのか? 温度の上限

温度の下限は絶対零度(零下273.15度)が有名ですが、温度の上限はあるのでしょうか?

温度は物質が持つ熱エネルギーと平衡になっている点を表しています。たとえば、水の中に温度計を入れると、水と温度計の間で熱エネルギーが移動して平衡になったときに温度計の値の変動は止まります。温度計の方が水より熱エネルギーを持っていれば温度計から水に熱エネルギーが移り、水の方が熱エネルギーを持っていれば水から温度計に熱エネルギーが移ります。

そして、物質が持つ内部エネルギーは、原子や分子が持つ運動エネルギーと原子間や分子間の位置エネルギーの和です。
この物質への熱エネルギーの出入りが無いときには、内部エネルギーは一定です。
下図の様に原子が密になっている状態では原子間の位置エネルギーが高いので、その分だけ原子の運動エネルギーは小さいので密になって居ます。温度は低くなります。
位置エネルギーが高いときの内部エネルギーの説明図
原子や分子が自由に飛び回っている下図の様な状態では、原子や分子間の位置エネルギーは小さくなり、原子や分子の運動エネルギーは大きくなっています。温度は高くなっています。
原子や分子が自由に動き回っているときの説明図
このときの原子や分子の動きはランダムです。
物質の状態と原子や分子の動き、温度の関係は、氷⇔水⇔水蒸気 と変化する水を観察すると直感的に理解できます。ただし、液体の状態を飛ばして、氷⇔水蒸気 という昇華もあります。

温度の下限である絶対零度は、原子や分子が最も接近し、全く動かない状態です(振動もしない)。ですから、絶対零度(零下273.15度)ではヘリウム以外の物質は固体になっています。ヘリウムは極低温でも液体状態を保って居られるので、太陽などの恒星が放つ熱エネルギーを享受できない天体や内部にエネルギー源を持たない天体でもヘリウムが存在すればヘリウムの海が存在します。

で、問題の温度の上限です。
温度は原子や分子の運動エネルギーを表す値ですから、運動エネルギーが大きくなり続ければ温度も上がり続けます。
運動エネルギーは、(質量×速度の二乗)÷2 で表されますから、原子や分子の速度が上がり続ければ運動エネルギーも大きくなり続けます。
しかし、原子や分子の速度は光の速度を超えられないので速度には上限があります。ならば、運動エネルギーにも上限があって温度にも上限があると思えますが、質量は速度が上がるほど大きくなり、光の速度に近くなればなるほど大きくなり最終的には無限大の質量になり、結局のところ、運動エネルギーに上限は無く、温度にも上限が無いことになります。
ただし、速度を上げ続けるには相当なエネルギーが必要になるので超高温を作るのは難しいです