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アイドリングストップ車用バッテリー(M-42)のサルフェーション防止方法

(2020年6月20日作成 2021年1月28日更新)

2020年の新型コロナ禍による外出自粛によってただでも乗らない車ミライースを2ヶ月間も走らせていませんでした。走らせない車で先ず心配になるのがバッテリー上がりです。そこで、搭載のバッテリー(M-42)の内部抵抗を測ってみました。
なんと! 5.6mΩ
2019年2月にバッテリーテスター(AE300)を購入した時には4.8mΩで、乗らない時には自作のパルス充電器を接続しっ放しで冬季でも気温が比較的高い昼間なら内部抵抗4mΩ台を保っていたので5mΩ台後半の値はショックでした
車を走らせなかった2ヶ月の間は自作パルスバッテリー充電器を補充電で繋ぎっぱなしにしておいたのですが、エンジンなどの機械部分の固着やタイヤの変形を心配してエンジンを何度か始動させたり車を前後させたのが、バッテリーには悪かったようです。

何とかせねば、と、先ず、バッテリーを普通の充電器で充電してから自作のパルス充電器を繋ぎました。
私が作ったパルス充電器は出力からのフィードバックが無い簡単な構成なので繋ぎっ放しにしているとバッテリー電極間の電圧が徐々に上がってしまいますが、M-42の場合は電極間を13.2Vぐらいにして置かないと内部抵抗が上がってしまいます。
バッテリーの車に接続したままパルス充電器を繋いでいるので、バッテリーの自然放電+駐車中に車内部機器で消費される電力をパルス充電器で補ってやればバッテリー電極間の電圧はほぼ安定します。
パルス充電器の電源に可変電圧電源(Longwei スイッチング電源の使い方)を使って、ほぼ13.2Vになるパルス充電器への供給電圧10V台を探しましたが、繋ぎっ放しでは可変電圧電源が勿体無いのでハードオフで出力10V1Aのスイッチング式のアダプターを330円で見つけてパルス充電器の電源にしました。
12Vアダプターは山ほど中古品がありますが、10Vを見つけるのに苦労しました。見つからなければAC100VからDC10Vに変換するスイッチング電源を自作しようかとも思いましたが、電源の様な汎用品は自作するよりアマゾンあたりで新品を探す方が安くつきます。それに、電源を入れっ放しのAC100V自作品では安全性が不安です。

さて、3日後には4mΩ台に改善しました。それで、という訳では無いのですが、梅雨の晴れ間に久しぶりに30km走らせてから30分ほど経ってから内部抵抗を測ると、4.31mΩ、今まで見た事が無い低い値です。暑い中30km走ったのでバッテリーが温まっている所為だろうと思い、赤外線放射温度計でバッテリーの側面を計ると48度もありました。
翌朝早い時刻に計り直すと、内部抵抗4.55mΩ、温度は24度。
それから1週間後の早朝に測ると、内部抵抗4.38mΩ、温度は20度
M-42バッテリー内部抵抗値

安価なデジタル バッテリー アナライザーで測った1mΩグライの増減は誤差では、という考えもあるとは思いますが

2020年10月2日、2週間乗らなかったので30kmばかりいつものようにアイドリングストップOFFで走らせてそのまま放置1時間後にバッテリーの内部抵抗を測ると、4.14mΩでした。
M-42バッテリー内部抵抗値20201002
測定ミスかも知れない2mΩ台が一度だけありましたが、納得できる値としては最低の内部抵抗値です。

経験上、2,3分間アイドリングしただけで放置すると内部抵抗が明らかに上がるので、近くのコンビニやスーパーに行く程度で車を使って補充電もしないで、かつ、アイドリングストップをONにして交差点で停まる度にエンジンを始動させていたら、バッテリーの寿命が2,3年なのは合点が行きます。

新車登録から3年が過ぎても4千kmぐらいしか乗っていない、2021年1月18日に自作のパルス充電器に接続したままのバッテリーの内部抵抗を測ってみました。
M-42バッテリー内部抵抗値20210118
上写真のとおり、内部抵抗は4.72mΩでした。バッテリーの筐体表面温度は6.9度。
鉛バッテリーは使わなくても自然放電や自動車が必要とする微弱電力による放電でサルフェーションが増えて劣化します。
冬季でこの内部抵抗なら自作パルス充電器の効果が出ていると思っています。