ニッケル水素充電池の簡単な復活法

2022年9月25日作成

部屋の隅から見つかったソニーのGPSロガー GPS-CS1 の中に100円ショップで購入したニッケル水素充電池が入っていましたが、充電しても直ぐに充電完了になってしまいました。
Sony GPSロガー GPS-CS1 の写真
ニッケル水素充電池には、使い切らない内に継ぎ足し充電を繰り返すと充電をし始めた電圧までしか使えなくなるメモリー効果があります。
メモリー効果は、規定の電圧より電池の端子間電圧が下がると充電を始めるような充電器に電池をセットしたままにしても起こります。
メモリー効果が無くて継ぎ足し充電が出来るリチウム充電池と比べると、ニッケル水素充電池の使いづらい点です。
しかし、今回の場合は継ぎ足し充電のはずは無く、GPSロガーに何年間も入れっ放しですから過放電です。
ニッケル水素充電池も過放電になると劣化しますが、何十回何百回と充放電を繰り返して寿命を迎えた訳では無いので棄てるのでは勿体ないです。

といって、過放電による劣化で直ぐに充電完了サインが出てしまう充電池の復活法を知りません。
直ぐに充電完了になってしまうという現象だけ見れば、継ぎ足し充電によるメモリー効果と同じです。
そこで、メモリー効果を解消する放電付き充電器を使ってみました。
先ずは、COSMO ENERGY JD-25 というニッケル水素充電器
COSMO ENERGY JD-25
JD-25で何度も充電と放電を繰り返してみましたが、直ぐに充電完了になってしまい、当然、全く使えない電池のままです。
次に試したニッケル水素充電器は、電池をセットして蓋を閉めれば、電池を検査して自動でメモリー効果を解消する放電と最適な電圧で充電してくれる Saitek SmartoCharger
Saitek SmartoCharger
問題のニッケル水素充電池をセットして蓋を閉めると、しばらくして不良電池のサインが出て呆気なく終了、何度やっても同じ結果でした。

LEDライトがニッケル水素充電池を復活させた

ニッケル水素充電池が壊れるのを覚悟で、といってもこのまま復活出来なければ壊れていますが。
復活を試みるのに使ったニッケル水素充電器の放電終止電圧は、JD-25が0.95V、SmartoCharger が1.0Vでした。
ニッケル水素充電池の場合には放電を続けてこれ以上電圧を下げてしまうと劣化が早くなるそうです。
しかし、復活しないのですからダメ元でもっと放電を続けようと考えました。
最適な放電終止電圧値などお構いなしに電気を使い続ければ電圧はもっと下がるはずです、この為に目を付けたのが、100円ショップで売られている単三乾電池1本を使うLEDライトです。
単三乾電池1本を使うLEDライト
100円ショップで売られているLEDライトには電池を複数本を使う物がありますが、電池1本の物を選んでください。
電池を複数本使う物は電池を直列接続しているので充電電圧や電池の劣化度が同じ電池で無ければうまく行きません。たとえば、2本が正常でも1本が不良なら充電も放電も不良の電池1本の為にストップしてしまいます。
問題の電池をLEDライトに入れ、スイッチをONにしてライトを点灯させます。このまま、ライトが完全に消えるまで放置します。
不良のニッケル水素充電池でも完全にライトが消えるまで数時間以上掛かかりますが、ライトが消えるのを待っている必要はありません。
ライトが消えるているのに気づいたらスイッチをOFFにして数分間、そしてまたスイッチをONにするとまたライトが弱弱しく点灯します。消えたらスイッチをOFFにして数分間、そして、スイッチをONにします。ライトが点灯しなくなるまで続けます。
点灯しなくなった状態の電池の開放電圧(電池の電極間に抵抗などの負荷を接続しないときの電圧)は、約1Vでした。
放電機能付き充電器JD-25を放電状態にスイッチを切り替えてから問題の電池をセットすると、充電器の電圧計は約0.6Vを示しました。JD-25の放電機能では0.95Vまでしか下がりませんからLEDライトを使う理由がありました。
このままJD-25でゆっくり充電すると、ニッケル水素充電池は復活しました。
この方法は、放置していて使えなくなった、或いは、継ぎ足し充電なのでメモリー効果出てしまったニッケル水素充電池の復活法です。
寿命で使えなくなった電池の再生法ではありません。

何千円もする高い充電器が無くても、100円ショップで売られているニッケル水素充電器が使えます。
というか、充電池は急速充電すると劣化が進むので、100円ショップの充電器の方が急がないときは都合がよいです。
大して使って居ないのに使えなくなったニッケル水素充電池は、 100円ショップのLEDライトに入れてライトが消えるまで点灯させ、100円ショップの充電器に入れて充電して復活させます