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デジタル温度計の仕組み

100円ショップでデジタル式の温度計を買ってきました。近頃の100円ショップは100円よりはるかに高い値札が付いている品ばかり置いてある店があって、お買い得感がありませんが、 このデジタル温度計(発売元 丸七株式会社)は税込み105円なら安いと思います。
百円ショップで購入したデジタル温度計
電池交換する手順で早速分解しました。向かって右側のプラスチック部分を右側に押して外し、ネジを2本外すと分解できます。
デジタル温度計の分解裏
上の写真の右側部分は表示のための液晶部分です。
デジタル温度計の分解表
温度を感知するのは上の写真の左側のサーミスターですが、右側にある集積回路(LSI)に型番が明記されていないので回路の詳細は判りません。
でも、この種のものの仕組みは大概決まっています。
サーミスターの抵抗値の変化で 発振周波数が変わる発振器と、交流の周波数を測るカウンターの2つの部分から出来ています。
サーミスターと言うのは、温度が高くなると抵抗値が減る半導体です。

抵抗値の変化で発振する周波数が変化する発振器の原理は

コンデンサーの充電利用
上左図のように電池、スイッチ、抵抗R、コンデンサーCを直列に繋いだ回路を考えます。
ここでスイッチを入れると、コンデンサーを充電するためにコンデンサーに電気が流れたように考えられて、コンデンサーの両端の電位は0になります。
しかし、充電が進むに連れて電気が流れなくなり、コンデンサーの両端の電位が上がり、最終的には電池の電圧と同じになります。
スイッチオンから充電が終わるまでは抵抗Rが大きければ長く、コンデンサーCの容量が大きければ長くなります。

上右図の線グラフの赤線は抵抗が小さいとき、赤破線は抵抗が大きいときで、コンデンサーCの両端の電位がeになるまでの抵抗が小さい方が早いことが判ります。
次に、コンデンサーCの両端の電位がeになったら一瞬だけ電気が流れ、コンデンサーCに溜まった電気を放電させ、直ぐに再びコンダンサーに充電を始める回路を考えます。
すると、この回路から電位がeになったら一瞬だけ流れる電気の間隔(周期)は抵抗Rの値に関連付けられます。
抵抗Rを温度によって抵抗値が変化するサーミスターにすれば、流れる電気の間隔(周期)は温度に関連付けれますから、周期の逆数である周波数を測れば温度として表示できます。

タイマーIC NE555を使った発振回路

抵抗値の変化を周波数に変換する回路は、トランジスター2個を使った非安定マルチバイブレータ回路で作れますが、 タイマーICのNE555が安価に入手できるので下記の回路で容易に自作できます。
タイマーICのNE555を使った発振回路図
NE555の出力周波数Fと抵抗R1、抵抗R2、コンデンサーCには
F=1.44/(R2+2*R1)/C1
の関係があるので、 抵抗のR1かR2を温度で抵抗値が変わるサーミスターに変えれば、出力OUTに抵抗値の変化が周波数の変化となって矩形波が出てきます。。。。
上記回路図のコンデンサーCを、気圧の変化が容量変化になる気圧センサーに変えれば気圧の変化が周波数の変化となります。
このまま周波数カウンターで変化は判りますが、温度・気圧共に出力周波数との補正をすればデジタル温度計・デジタル気圧計が自作できます。

ちょっと難しい説明になってしまいましたが、ポイントは
  1. 温度の変化によって抵抗値が変わる半導体(サーミスター)がある
  2. 抵抗値の変化によって周波数が変わる発振器が作れる
  3. 周波数を測れるカウンターが安く作れるようになった

ところで、サーミスターを基盤から外し、 サーミスターと基盤の外した点を2線のビニールコードで繋いでサーミスター部分を防水加工(エポキシ系接着剤などで固める」すれば、 金魚や熱帯魚を飼うときに必要な水温計にもなりますね。
サーミスターと基盤までの間を長くしすぎると正確な値を示さなくなったり、動作が不安定になりますが、地中の温度を測ったり、おもしろい実験道具になりそうです。
但し、壊れても105円損したと思って諦めること・・・






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