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電気を蓄えて一気に放電,コンデンサーの使い方2

カメラに付いているストロボでは、コンデンサーが重要な役割をはたしています。
コンデンサーに大量の電気(電荷)を蓄えさせて使う例です。
ストロボの発光する部分は、太陽光に近い光を出す、キセノンガスを封入したキセノン放電管が使われています。

下図はカメラ用のストロボの回路図です(説明に不要な部品は省いてあります)
カメラ用ストロボ点灯回路
キセノン放電管を、ストロボとして一瞬発光させるだけでも数百ボルトの電圧が必要なので、

  1. 先ず、乾電池からの電流を、トランジスターやIC(集積回路)で作られた直流交流変換回路で交流に変えます。パルス発振回路です。
  2. 次に、この交流を変圧器1 (パルストランス)で数百ボルトの電圧に変えます。 変圧器というのは、鉄やフェライトを芯にして、エナメル線などを巻いたコイルを2つ以上付けたものでものです。身近にあるものはACアダプターです。
    変圧器の二つもコイルの巻き数をNとMとすると、Nの巻き数のコイルに交流Vボルトの電圧を入力すると、電磁誘導作用によって、Mの巻き数のコイルには(M÷N)×Vの電圧が出てきます。
    Nを10、Mを1000として、Nのコイルに3ボルトの交流電圧を入力すると、Mのコイルには300ボルトが出てきます。
    小さなキセノン放電管を光らせるには十分な電圧ですが、得られる電流は(N÷M)倍になってしまうので、乾電池のような小さな容量の電源では必要な電流が得られません。 
  3. そこで、変圧器1で作られた高い交流電圧を ダイオード で直流にして 大容量のコンデンサーC1に加えます。
    コンデンサーは、その高い電圧と等しくなるまで電荷(電気)を蓄えます。これを、コンデンサーの充電と言います。
    その蓄えられる電荷の量は、コンデンサーの容量と電圧の値を掛けたものです。
    例えば、100マイクロ・ファラッドの容量のコンデンサーを 300ボルトの電圧で充電したとすると、電荷量は0.03クローンとなり、 この電荷を1秒間放出できたとすると約33Aとなります。
    数万分の1秒という時間ですが、3Vの乾電池から300Vの電圧と33Aの電流が得られるのです。
    ストロボを使って撮影するときに数十秒間待たされるのは、コンデンサーに充電している時間です
  4. キセノン放電管は数百ボルトの電圧を加えただけでは発光しません。 発光させるのには、発光の引き金になるトリガー電圧が必要です。
    放電管の外部に付けた電極から発光させる場合には、5キロボルト程度の高電圧が必要なので、この電圧も別のコンデンサーC2に充電し、 カメラのシャッターが開くのに同期させてサイリスター(SCR)のゲート(G)に電圧を加えると、 サイリスターのアノード(A)とカソード(C)間に電流が流れるようになり、コンデンサーC2に充電されていた電荷が変圧器2を通して一気に放電し、 変圧器2の二次側に高電圧が生じ、この高電圧がキセノン放電管のトリガー電極に加わってキセノン放電管が発光します。

抵抗R1はサイリスター(SCR)と変圧器2を保護するための電流制限用の抵抗です。抵抗R2はキセノン放電管を保護するための電流制限用の抵抗です。





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