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受信用ループアンテナの自作

中波帯の放送を受信するには同調させたループアンテナが威力を発揮します。
私が初めてループアンテナを作ったのは10年以上前で、乾電池を使う工作用の細いビニールコードを数回巻いて直径1mほどの環を作り、そのコードの両端にエアー・バリコン(空気を絶縁に使った可変容量コンデンサー)を繋いだだけの簡単なものでした。
最近になってまた作ってみようと思い立ったのですが、エアー・バリコンが数千円もするのでは、製作記事を書いても再現性が薄いので、 100円ショップで買えるものでループ・アンテナを作ってみました。

バリコン

先ず、入手が難しいバリコンは、100円ショップ「シルク」で売られている(2009/03/14)AMラジオのものを拝借しました。 絶縁体にプラスチックのシートを使ったポリバリコンで、性能的には見劣りしますが、 印加する電圧で容量を変化させることが出来る「バリキャップ(可変容量ダイオード)」全盛時代では、ポリバリコンですら貴重品らしいので我慢することにします。
100円ショップでラジオが売られていたのは僅かな期間だったようです。通販などでポリバリコンも入手できないときは中古屋さんで受信周波数をデジタル表示しない安価なラジオを購入してください。鉱石ラジオ(ゲルマニウムラジオ)キットにポリバリコンが入っていることがありますが、購入前にバリコンが入っているか確認する必要があります。鉱石ラジオでは聴きたい周波数に同調する部分はコンデンサーの値を固定して、コイルの中のフェライトを動かしてインダクター値を変えているものが多いです。
パーツ店で容易に入手できる可変容量ダイオードを使うと現代的なのですが、容量の変化比が少なすぎて中波帯では狭帯域アンテナになってしまいます。
真空管ラジオに使われていたエアー・バリコンが性能的や強度の点からもよいのですが、真空管ラジオは部品取りでも高価です 。

ループを作る電線

高周波用のコイル(ループ)の製作には、エナメル線を縒り合わせたリッツ線がよいのですが、地方では入手難です。
バリコンが105円で入手できたのですから電線も安上がりを目指し、100円ショップにあった6極4芯の電話用モジュラーコード(3m)を利用しました。
4芯なので、単線に換算すると4×3(m)になります。
結線図は下のようになります。
電話線延長コードを使ったループアンテナ
ループアンテナを自作するときに迷うのがループの巻き数だと思います。使うバリコンの容量にもよるのですが、作ってもみなければ正確な巻き数は判りません、 そこで、ループの巻き数1回毎に巻いているコードの被覆を剥いて置き、同調用バリコンのアース端子で無い方にワニ口クリップを接続して置いて、 ワニ口クリップで巻いているコードの被覆を剥いだ部分を挟んで接続します(上図の黄色で囲んだ部分)。 こうすると、ワニ口クリップで挟む所を変えれば、中波から短波の低い方まで使えるループアンテナ作れます。
電話線延長コードで作った巻き線近くに適当な電線を一巻きしたものをラジオの外部アンテナ端子に繋げます。
バリコンを繋いだループアンテナで共振させた高周波電流を、電磁誘導で拾ってラジオに導く訳です。
外部アンテナ端子が無いラジオの場合は、ラジオをループアンテナの中央付近に置いて、ラジオ内部にあるバーアンテナ(フェライト棒を芯にしたコイル)に直接電磁誘導で導きます。
外部アンテナ入力端子付きでもループアンテナの中に入れた方が受信状態が良い場合がありますから両方試してみてください。

製作

100円ラジオのバリコンだけ必要なのですが、今回はバリコンを取り外さずに左写真で青丸で囲んだ部分のプリント基板の銅箔をナイフで削り、バリコンを他の回路と切り離すだけにします。
ラジオのケースをそのまま残しておけば、ラジオの選局をするようにループアンテナの同調がとれて便利です。

次に、左写真の様にバリコンの端子に適当なコードを半田付けしておきます。
平行線の細いコードが良いです。
そして、そのコードが入る大きさの孔をラジオのケース上部に開けて、元通りラジオをケースに戻します。

モジュラーコードは、両端ともプラグ付近で切り、外側の被覆を丁寧に剥きます。 すると、被覆に色の付いたコードが4本出てきますから、その被覆を丁寧に剥いて、両端から 出た8本のコードが一本に成るように半田付けします。
要するに両端から出ているコードを色違いに半田付けしていけば、1本のコードを4巻きしたのと同じになる訳です。

バリコンとループを結線図のように繋ぎ、環になるようにして天井からぶら下げてラジオを電源を入れてみると、2.8Mhzから6Mhzぐらいがこのループアンテナの同調範囲でした。
ラジオNIKKEI(3.925Mhz)がよく聴こえましたが、ラジオNIKKEIはループアンテナを使わなくても聴こえますから、同調周波数を下げなければなりません。
それには、ループの巻き数を増やすのですが、電話用モジュラーコードが無いので、電灯線用コードでループを作ってみました。
電灯線用コードは当然ですが、単線が2本で一組になっています。
電話用モジュラーコードのときと同じように、環にしてから1本の線になるように繋ぎます。
使用したコードの長さは約7m、それを3巻きのループにしました。
コンデンサーは100円ラジオのもので、同調周波数は約1.3Mhzから2Mhzになり、 1Kmちょっと離れた所を走っている高速道路のハイウェーラジオ(路側放送1620khz)が明瞭に聴こえました。
(ラジオをループ内に入れてラジオ内部のバーアンテナを介して受信した方がよく聴こえます)
中波のラジオ放送を受信するに はもうひと巻きぐらいループの巻き数を多くしなければなりません。
ループの内側の面積を広くすると(ループを円にすると)、インダクタンスが少し大きくなってより低い周波数まで同調するようになります。

問題は、いくらアンテナを良くしてもノイズ源と希望する電波が同じ方向にあったらノイズも効率よく拾うアンテナになって使い物にならないことです。





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