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電磁誘導で電気を発生させる簡単な実験

ごく僅かな電気も検出できる検流計を簡単に自作する方法で、電気が方位磁針を動かすことを確かめました。
今度はその逆、すなわち、方位磁針を動かすとどうなるのでしょうか。実験してみましょう。
でも、方位磁針はあまりにも磁石としては小さすぎ、私たちのように精巧な測定器を持たない者には無理だということは想像できますね。
そこで、おもちゃとして売っている磁石に登場してもらいましょう。 百円ショップにあるような磁石です(磁力が強いものほど良い)

用意する物

  • 磁石 1個
    形は何でもよい。なるべく磁力の強いもの
  • エナメル線 数メートル
    太さは、0.2mmから0.5mmぐらい。手には入りやすいもので良い
  • 方位磁針(コンパス)1個

下の図のように組み立てます。
電磁誘導の実験
紙筒に巻いたエナメル線は、方位磁針の上において、紙筒に巻いたもう一端のエナメルにつなぎます。
このとき、エナメル線はサウンドペーパーなどでエナメル部分をはがしてつなぎます。

電磁誘導の実験

このように組み立ててから磁石を図の矢印方向に動かすと、方位磁針は動くはずです。
動くと言うことは、電気が起きているということですね。
磁石を早く動かすほど、方位磁針の動きは大きく、かつ、早く動きます。これを、電磁誘導といいます。
何らかの方法で、磁石を早く動かせば、電気が続けて起こせます。

原子力、火力は、熱を発生させて水蒸気を作り、それで磁石のついたタービン(水車や風車のようなもの)を回します。
水力発電は、水が上から下に落ちる力で、磁石のついたタービンを回します。
身近な所では、自転車についている発電機、車、バイクなどにもこの原理で発電する機械が付いています。
私たちがちょっと実用的な発電機を作ろうと思えば、模型用のモーターが発電機に使えます。モーターはなるべく大きな物が良いです。
もう少し実用的なら自転車のライトを点けるためのダイナモ(発電機)を使います。風車で回るようにすれば、ちょっと大きいラジオが聴け、小さな蛍光灯ぐらいつくでしょう。
ただし、自転車の発電機の出力は、プラスとマイナスが1秒間に何十回か変わる交流電気と言われるものです。