特定小電力トランシーバーに外部アンテナを付ける「八木アンテナ」もどきのモドギ実験

特定小電力トランシーバーのマニアの一部の間で密かに行われているのが、「 八木モドキ 」と言われるものです。
この八木モドキは八木アンテナ の輻射素子の代わりに特定小電力トランシーバーを置き、その前に導波器にする2分の1波長より若干短い金属棒、トランシーバーの後ろに反射器にする2分の1波長より若干長い金属棒を置いたものです。
因みに、八木アンテナ(八木・宇田アンテナ)は、テレビ受信用アンテナとして広く使われていますが、1926年八木秀次・宇田新太郎両氏によって発明された世界に誇れるものです。

話を「もどき実験」に戻します。
特定小電力トランシーバーは電波法によって、アンテナを交換することが 禁じられています。
そのために、トランシーバー全体を輻射器とする「八木モドキ」という考えが生まれた訳です。
しかし、八木モドキも無線設備に変更を加えていますから電波法違反です。
でも・・・よくて4分の1波長ぐらいにしか機能しかないトランシーバーのユニ・ポールアンテナを輻射器にして八木アンテナになるのかは興味あるところです。

アンテナコネクター部分が壊れてしまったポケットサイズのレシーバー(Sellstar RH-600)があったので、送信と受信は同じ特性になるという「アンテナの可逆性 」を利用して八木モドキを受信用にして実験してみました。
Sellstar RH-600には付属のアンテナが接続出来なくなってしまったので、直径1mm 長さ14cmの銅線を付けてユニポールアンテナにしました。
実験用に作った特定小電力トランシーバーの八木アンテナモドキの写真
レシーバーの アンテナ入力インピーダンスは50オーム
導波器は直径1mm 長さ28cmの鉄線
反射器は直径1mm 長さ36cmの鉄線
導波器とレシーバーのアンテナの間20cm
レシーバーのアンテナと反射器の間は13cm

素子やレシーバーを支えているものはダンボール紙(一度限りですから)
アンテナの支柱は塩ビパイプ。

結果は、・・・
八木モドキを使わないで特定小電力トランシーバーから約0.6km離れて受信できる環境で、八木モドキで受信すると、約1.4km離れても受信出来ました。
アンテナ後方は0.2kmほど離れると受信出来ませんでした。
予想外によい結果が出ましたが、指向性があるので近距離を動き回る移動相手では非常に使い難いです。
UHFの電波は同軸ケーブルでの損失が大きいので、イヤーホーン・コードを伸ばして使えば、遠方からの弱い電波が受信できそうです。
日本国内では受信設備は自由で、電波法に触れることはあ りません。