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針金で作ったコーリニアアレイアンテナもどき

鉄道の保線員に列車の接近を知らせる 列車接近警報無線 を自室で聴けないものか。

100均ショップで購入した 雨傘で作ったディスコーンアンテナ でもかろうじて受信出来ましたが、いまいちなのでアンテナの新設を考えました。
といって、デジタル化が進んで傍受できる無線が少なくなっている中で市販品を買うほど酔狂ではありません。
今更、高価な受信機を買う気も起きないという方には、特定の機種のUSB接続のワンセグチューナーでもVHS・UHF帯の一部が受信できます。 ⇒USBワンセグチューナーを使ったソフトウェアーラジオ

例によって100均ショップで売っているものでいい加減なア ンテナを作ることにしました。
受信用アンテナは、いい加減な物でも無いよりはマシになることが多いのが良い所です(笑)
(送信用では飛ぶ飛ばない以前にアンテナに乗らない高周波電流が反射波となって戻り、送信機の出力段を壊す可能性があります)
アンテナ形式の選定は、設置が容易で製作費が安く、利得もそれなりに期待できるものです。
2分の1波長ダイポールが簡単ですが芸が無いと思い、垂直系のダイポールを上下にスタックしたのと同じの、コーリニアアレイアンテナにしました。
ダイポールアンテナを垂直に重ねるアレーアンテナの自作では、同軸ケーブルを(2分の1波長×短縮率)に切断して、芯線と外皮網線を交互に繋げる方法が一般的です。
しかし、この方法では切断した同軸ケーブルは他には使えなくなり、使い回しをして遊ぶには向きません。
そこで、針金で作ってみることにしました。

左図の黒い線のように直径1.6mmのビニール被覆鉄線を曲げ、園芸用の支柱(グラスファイバー)に沿わせました。
直列型のアレーアンテナでは使用周波数と素子の長さが外れると、位相差が積み重なって大きくなり、うまく動作しないのですが、列車警報無線の他に特定小電力トランシーバーの受信にも使おうと思い、設計周波数を410Mhzにしました。
設計周波数の選定がいい加減なので短縮率も考えないで作りました。
図中のλは波長で、300÷周波数(Mhz)で単位は[m]
で求められます。
直列アレー型アンテナの設計図
自作の直列アレー型アンテナを設置した写真

いい加減ついでに、給電線(同軸ケーブル)との整合も考えませんでした。
1/4λの地線を同軸の給電線の外皮銅線に、垂直に延ばしたアンテナ線を同軸の芯銅線に直接繋ぎました。
結果は、警報無線と特定小電力無線の受信状態で推察すると、傘で作ったディスコーンアンテナより利得があります。
給電線との整合を考えないと言いましたが、受信用アンテナでもこの型のアンテナはこの部分によって受信能力が大きく異なってしまいます。
水平面が無指向性なので列車警報無線は複数箇所の送信波が入り混じってかえって聴きづらくなってしまいました。
長さ10mの3C−2V 同軸ケーブルを繋いで、2.5kmほど離れている陸橋上の道路工事で使っていた特定小電力トランシーバーが良く聞こえました。
製作費が210円、無調整で、とちょっと驚きましたが、強風で揺れると利得が落ちます。
2.4GHz帯のアマチュア無線や無線LANアンテナでも針金を折り曲げただけのコーリニア・アレイアンテナは使えます。