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USBワンセグチューナー DS-DT305 が壊れた

パソコンのUSB端子に挿し込んで地デジのワンセグが観られるワンセグチューナー DS-DT305 をSDR(Software Defined Radio)として使っている方は多いと思います。
安価な広帯域受信機に比べても性能は劣りますが、手許にあるパソコンに送料込みでも千円ぐらい購入できるDS-DT305 を付けるだけで広帯域受信機が手に入るのですから

日頃は従来型の安価な広帯域受信機を使っている私も、思い出して久しぶりにDS-DT305で楽しんでいました。
ところが、数日して突然受信できなくなってしまいました。
稼動部分が無い電子機器は過電圧を掛けない限り壊れるものでは無い、と思っていた私には意外でした。
近距離で特定小電力トランシーバーを送信状態にすると辛うじて反応あるので、アンテナ入力端 子(コネクタ)の接触不良かと思って筐体を開けてみました。
筐体はネジ止めされておらず、表側と裏側が爪で固定されているだけなので隙間に細いマイナスドライバーを押し込めば開けられ、元に戻すのも簡単です。

下写真の様にアンテナコネクタに銅線を直接付けてみましたが、雑音以外は何も聞こえません
DS-DT305の内部写真1
コネクタを外して基板に直接付けても同様です。
どうやら、外部アンテナを繋げたり外したりして遊んでいたので、アンテナからの入力部分(フロントエンド)を静電気で壊してしまったようです。
入力端部分にはアースとの間にダイオードが入っているものなのですが、この機種には入っていないようです。
コネクタの下にある、半田だけが載っている部分に静電気防止用バリスタかツェナーダイオード(低電圧ダイオード)がアンテナ入力端子に並列に付くはずだったのでしょうか。
DS-DT305の内部写真2
バリスタは酸化亜鉛を主成分とした半導体セラミックで、低い電圧には高抵抗を示し、高い電圧には低い抵抗を示します。
ツェナーダイオードは、通常のダイオードと異なり、逆方向に掛けた電圧がある値を超えると壊れずに逆方向でも電流を流すPN接合の半導体です。

バリスタ、ツェナーダイオード共に、電流を流さない状態のときはコンデンサーと同じように静電容量があるので、この容量が使用周波数に対して大きい場合は必要な高周波電流がアースに流れてしまいます。