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金魚・転覆病から回復

道の駅で2月に購入した金魚の1匹が3月に入ってしばらくして死んだように横になって浮いてしまいました。 揺り動かすと正常姿勢で泳ぎ出すのですが、直ぐに横になって浮いてしまいます。
隔離して置いたのですが快復する兆候がありません。
転覆病の金魚の写真
(2018年3月22日撮影) 三尾の金魚なので、正常でも体形がずんぐりむっくりですが、腹部が膨らみ過ぎている気がします。 水温が10度にも届かないときに餌を与え過ぎて消化不良になり、浮き袋が圧迫されて調整がうまく行かなったようです。
周知の様に魚は体内にある浮き袋を調整して姿勢を保っています。

消化不良で転覆病に罹ってしまったときは水温を上げて金魚の新陳代謝を促進して上げます。 金魚の負担にならないように徐々に水温を上げますが、淡水魚は海水魚の様に水温や水質の急変が大きな負担になることはありません。 金魚の祖先の鮒が棲む川は、海と異なって狭く、河川の合流、大雨による増水などがあって水温や水質の変化は激しいですから変化には耐性があります。
私は、温度調節が出来る観賞魚ヒーターを持っていないので、百円ショップで購入した小さなバケツに金魚が隠れるぐらいの少量の水を入れてその中に金魚を移しました。
水深を浅くしたのは、金魚の姿勢が崩れても金魚の頭部が溶存酸素が多い水面近くになるようにするためです。
そして、日光が出ている時間帯は外に出して水温を上げました。幸い、春に向かっている時季だったので水温が22度ぐらいまで上がりました。 (太陽光による水温上昇では思うようになりませんが、上げても25度ぐらいまでにした方がよいです)
気温が低くなる時季に向かっているときは金魚用ヒーターを使った方が簡単ですが、太陽光で水温を上げるのは手間を惜しまなければ安上がりです。

魚類は恒温動物と異なって自分で体温調節をしないためにエネルギー消費が少ないのですが、たまには小粒の餌を浮かべて置きます。 姿勢が保てないだけなら食べ糞をします
水換えは、水量が少ないので前日からの汲み置き水で毎朝全量取り替えました。汲み置き水なら水温はほぼ同じです。
数日して快復の兆候が現われ、まだ、活発に泳ぎませんが、餌も食べて姿勢も何とか正常になりました。

(2018年3月27日撮影)
4月2日姿勢はちょっと傾いていますが、掬い上げると尾を振って跳ねるようになりました。

金魚の転覆病の原因が消化不良かどうかは判りませんが、原因の一つとして消化不良を考え、水温を20度ぐらいまでに上げてやるのが治療法のようです。
(腫瘍や器官の疾患が原因でも金魚の様に小さな動物でも治療法がありません。小鳥を診てくれる動物病院も珍しいですが、魚類を診てくれる所は聞いたことがありません。しいて言えば、観賞魚産地の水産試験場でしょうか)
ただ、水温を上げると水に溶けている酸素の量が減り、逆に金魚が消費する酸素量が増えるので、水面が空気に触れる面積が大きい容器にする必要があります。
水中の酸素を増やすためにエアーポンプで気泡を発生させる「ぶくぶく」を付けると水が動いてしまい、姿勢が保てない金魚にはおおきな負担になってしまいます。