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DVDディスクの傷修復の方法

2017年元旦の夜、この日、中古で購入した「女子十二楽坊」のDVDを独り淋しく聴いていたときです。
突然、パソコンのDVDドライブから異音が・・・
因みに、「女子十二楽坊」というのは、2003年頃に日本のマスコミにも露出していた中国の女性音楽グループです。
中国の古い時代の弦楽器「二胡」や「枇杷」、「竹笛」などで演奏し、東洋人の感性に響くものがあります。

DVDの中身は関係無かったですが、DVDドライブを開けてみると、
DVDディクスに傷を付けた原因になったドライブの中の写真
の様に、DVDの下に市販のパンの袋をとめるプラスチックが入り込んでいました。
そして、推察どおり、DVDの記録面は
傷ついたDVDの記録面の写真
の有様です。
写り悪い写真なので傷が少ないようですが、実際はもっと多いです。
プラスチックのとめ具がどうして入ったのか判りませんが、大晦日から元旦に掛けて、 食パンを齧りながらパソコンのキーを叩いていたので、DVDを傷だらけにした責任は私にあることは間違いありません。
私はDVDなど借り無い方がよいと誓い、レンタル店の会員になる夢を諦めました(笑)

ティッシュペーパーで傷だらけのDVDの記録面を拭いてから再生してみると、1時間弱の演奏時間中に数箇所で映像と音が一瞬止まりました。
「これはイカン!」と、ネットで、DVDでの傷修復を検索すると専門業者への依頼や簡単な研磨機の購入の他には、

  • DVDの傷ついた記録面を歯磨きで磨く
  • バナナの皮で磨く
  • 自動車のボディーの傷を目立たなくするコンパウンドで磨く
などがヒットしました。

上記、3つの方法の中で一番無難そう―――傷が付き難そう―――なのは、「バナナの皮で磨く方法」です。
しかし、記録面の傷が修復される理由が解りません。
バナナの主成分は澱粉や果糖で、イネ科植物の葉に含まれるような研磨剤になる成分や、柑橘類の皮に含まれるような溶剤になる油も見当たりません。
因みに、柑橘類の皮に含まれる油は、衣服に付いたまま乾いてしまったペンキを落とすのに使えます。

⇒身近な物で衣服に付いたペンキを落とす方法

私には理由不明ですが、早速、30分ぐらい掛けてバナナで磨いてみましたが、見た目では傷はまったく修復されている気がしません。
それどころか、傷口にバナナの成分(澱粉や果糖など)が入り込んでしまうので、 後々のカビ発生防止のために記録面を水で念入りに洗う必要に迫られました。
DVDは、基板、記録面、保護面などが貼り合わせてある構造なので、長時間、水に浸けておくと、 端から水が浸透することがありますから要注意です。

次は、歯磨き粉(クリーム状)で磨く方法です。
使った歯磨きは、塩粒などが入っていない一般的な物ですが、結果は、かえって記録面が曇ってしまい、 再生出来ないDVDディスクになってしまいました。

最後の頼みは、自動車のボディーの小傷を目立たなくするコンパウンドです。
近くのホームセンターにあった物は、どれも溶剤が入っていたので拙いと思ったのですが、 結論を先に言うと、DVDの傷修復には自動車用コンパウンドが正解でした。
使用したのは、「カインズホーム」の「キズ取りマイクロ コンパウンド 全色対応」
DVDの傷修復に使った自動車用コンパウンドの写真
「光沢アップ」という謳い文句と、税込み398円と安かったから選んだだけです。
DVD傷修復作業中の写真

再生不能にまでなった「女子十二楽坊」のDVDが最後まで正常に再生出来ました。
ただ、歯磨き粉で付けてしまった傷が取りきれず、 DVDドライブの読み込み速度が綺麗なDVDより1割ぐらい低くなってしまいました。

自動車用コンパウンドにも、サウンドペーパーの様に、粗目、中目、細目とあり、 傷の深さに合わせて粗いものから徐々に細かいものに使い分け、最後に最も細目で仕上げるのが本来の使い方ですが、 DVDの傷の場合は最初から細目で磨き、再生が出来るようになったところで止めた方がよいです。
細目で磨くと捗りませんが、磨き過ぎ(削り過ぎ)てしまった場合は後悔しても元には戻りません。
また、光学レンズや鏡を磨くのでは無いので、記録面を均一に磨く必要はありません。
机や台の上に新聞紙などを敷き、その上にDVDを置き、 傷の深い部分、傷の多い部分を傷が目立たなくなる方向に、集中的に磨きます。
今回の私の様に、DVDドライ ブ内に入り込んだ異物で傷つけた場合やドライブ内でのDVDディスクの振動で傷が付いた場合は、 傷は円や円弧なので、放射状に磨くことになります。
傷方向がランダムでしたら、磨く方向もランダムになります

プラスチック類を溶かす溶剤入りのコンパウンドを使うときには、(神経質になることはありませんが) 磨いている内に溶剤が揮発しまうので、溶剤が完全に揮発する前に食器用の中性洗剤などで磨いた面を洗ってしまうことです。
乾く前に洗い落とさないと、溶剤で溶けた表層に研磨剤が付着したままになって取れなくなり、 また磨くことになってしまいます。
少しぐらい溶剤が入っていて、DVDディスクの表面(保護層)を溶かしてくれた方が傷口が滑らかになるとも考えられますが、 溶剤は気に留めておいた方がよいです。

ちょっと考えてみれば合点しますが、自分の命の次に車を大切にしている人が居ますから、 鏡面仕上げと謳っている傷消しコンパウンドでボディーが曇ってしまったら苦情どころではすみません。
そう考えれば、誰でも直ぐに入手でき、比較的安価な自動車用コンパウンドは、DVDの記録面を磨くには最適だと考えます。
自動車用コンパウンドの他でしたら、プラスチック表面の艶出しや宝飾品を磨くのに使う非常に細かいサンドペーパーが使えるかな、と思っています。
ただ、少々ざらつく紙という感触でA4サイズぐらいで1枚数百円もしますから、貧乏性の私は躊躇してしまいます。