音が悪くなったオカリナの手入れ方法、食酢やクエン酸で吹き口内部の汚れを落とす
素朴な雰囲気に魅せられてオカリナを手に入れてみました。しかし、唾液を吹き込まないようにしているのに高音がよく出ません、まだまだ下手なのか、オカリナに問題があるのか
オカリナという楽器
オカリナの愛好家には叱られると思いますが、音階をある程度変えられる土笛がオカリナという印象です。
オカリナの音域の狭さには閉口します。初めて吹いたときは低い周波数の半オクターブ、ちょっと慣れてきて周波数を上に伸ばして1オクターブ出すのがやっとでした。心地良い音色はやっぱり半オクターブです。
出せる音域の狭さはオカリナの構造にあると推測します。
楽器にはバイオリンやギターの様に振動する弦の長さを調整して特定の周波数の音を出すものと、
クラリネットやトランペットの様に共鳴する管の長さを調整して特定の音だけを強めて出すものがあります。オカリナは後者です
高い音は共鳴する管を短くしなければなりませんが、オカリナは音が出る部分が付いているところが膨らんでいるので共鳴させる部分が小さくなり難いです。
そのために、高音を出すには強めに吹かなければなりません。すると、風切り音まで出て音がかすれてしまいます。
音域の異なるオカリナを幾つか持って吹き分けるか、1オクターブぐらいしか使わない曲を吹くか、になってしまいます。
オカリナの手入れ方法
陶器製のオカリナについては、演奏後は乾かして、水で洗わない、というのが一般的な手入れ方法らしいです。
素焼きなので水で洗ってはいけないというのは説得力がありますが、その素焼きのほぼ閉ざされたオカリナ内に湿度100%の呼気を吹き込んでいるのですから素焼き部分は十分水を含んでいると推測できます。特に冬季などでは呼気が冷たいオカリナ内面で結露します。
問題は吹き口です。素焼きの狭い通路が高音多湿では唾液が入らなくても雑菌やカビが繁殖し、衛生的とは思えませんし、雑菌とカビで音の出にも影響すると思います。
音に影響が出てきたら、製造元でリペアーしてもらうか買い替えるなんでしょうけど
さて、唾液には、カルシウム、カリウムなどの蓄積してかたまる成分や雑菌が好きそうな栄養分が含まれています。湯沸しや魔法瓶の内側に出来る白い塊や水周りの汚れになるものです。
カルシウムなどの塊は酸で溶けるので、吹き口に食酢を流し込んでみました。
先ず、下写真の様に、食酢をスポイトで裏側から流し込み、吹き口から出てきたら口を指で数分間押さえて食酢を溜めておきます。
この間に吹き口内壁に付いたカルシウムなどが付いて出来た汚れが溶けて落ちることを期待します。見えない部分なので期待するしか無いです。
その後、食酢を注ぎ込んだ穴から水道水を入れて食酢を落として乾かします。完全に乾かなくても音が出るようになります。演奏中は、湿った呼気で濡れている部分なので完全に乾かなくて音が出て当然です。
オカリナの音がおかしくなったときに買い換えるつもりなら、自己責任になりますが、食酢やクエン酸で汚れを溶かす方法を試す価値はあると思います。
食酢やクエン酸を流し込んで置く時間は、様子を見ながら適時ということです。食酢やクエン酸に浸けた方が簡単に綺麗になりますが、外側の塗装が剥げるかも知れませんから浸けるのは最終手段です。カビが生えてしまったら、キッチン用の漂白剤を使うことになりますが、長時間はよく無いです。もちろん、高級なオカリナは販売店や製造業者に相談する方がよいですけど。(2019年11月27日作成)