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身近な所で化石を探す方法

化石とは、何千年、何億年前に生きていた物の跡です。現実には考えにくいですが、あなたが地面に残した足跡・食べ残して道端に捨てたハンバーガーも、 何千年、何億年後には化石となって未来人に発見されるかも知れません。

いよいよ、化石探し入りましょう!

無闇に探してもしょうがないので、先ず、化石はどんな所にあるか見当をつけることにします。
化石は、生物の遺骸や足跡などが石になったものですから、火山からの噴出物(溶岩)や火山中で作られることはありません。
なぜなら、何百度という熱い溶岩などに生物の遺骸がふれたら燃えてなくなってしまいます。
型に石膏や溶けた金属やガラスなどを流し込むような状態なら、火山で溶けた石で化石が作られることもあるのでは、と個人的には思うのです が、よほどの好条件が無いと無理なんでしょうね。
ということで、ごく普通に・・・・
生物が死んだ ⇒ その上に土がかぶさった ⇒ その土の重さで生物の遺骸の周りの土が石になったと考えることにします。
石に詳しい人は・・・・堆積岩だと気付きましたね。
堆積岩は、石の欠片や生物の遺骸、或いは泥が積み重なって出来た石のことです。

化石の見つかりそうな場所

  1. 露頭(岩石、鉱床、地層が露出している部分)
    山中の道路工事現場や宅地などの造成現場、河川の岸、など、草木が無くなっている部分
  2. 河原
    「河原なんかに?」と思わないでください。川岸からの落石、河原には上流から色々な物が流されて来るのは知ってますね。流木や石ころなどなど、その石の中で堆積岩を見つけ、水に濡らして表面を観察したり、割って見ます。
    化石は、石の層(ちょっと違った石同士の境目)にある確率が高いので、自然の力で割れるか、人間の力で割るにしても、石はその層で割れ、化石は発見されるのです。
  3. 海岸
    河原で見つかるなら、当然、海岸にもあるはずです。崖からの落石や色々な物が流れ着くのですから。

早い話、堆積岩がある所ならどこでも見つけられる可能性はあるのです。
砂利道(最近は無いですが)、採石場、土砂崩れ現場、川底
変わったところでは、石を装飾に使っている建物(実際に割って採ると怒られるので、写真で撮りましょうねぇ)
ただ、どこで見つけるにしても新しい露頭(石)がある所が良いようです。
先に発見されて採られてしまうこともあるでしょうから、本などに載っている有名な場所は、あまり期待できないかも。有名な所で見つけられないときはその周囲や少し離れた場所も探してみましょう

予備知識と意欲が湧いてきたところで、化石採集に必要な物を揃えましょう!
と言っても、大袈裟な準備はしたくないですね。
何万、何十万円もかけて一式揃えて、肝心な採集現場で溜息を吐くなんて馬鹿げています。
中高年の人は、“格好”から入ると言いますが、このページを見ているあなたには、若さと知恵があるはずです。

前置きはこの辺で・・・・
  • 石を割るには、ハンマーと石ノミが必要です。
    石ノミ・ハンマー
    一番上の鉄棒(?)は、石ノミです、もっと小さいのもあった方が便利かな?
    自宅に持ち帰ってからの作業には、もっと小さなタガネと言われるものが便利です。ハンマーは1キログラム以内で
  • 地質図(5千分の1程度)
  • コンパス(方位磁針)
  • 新聞紙(採集した物を包む)
  • ビニール袋(採集した物を入れる)
  • ノート・鉛筆(記録する)
  • 油性マジック(化石を包んだ新聞紙、ビニール袋に番号等を書く)
  • 水(湿った状態の化石は、乾かすと壊れる恐れがあるので湿らせて持ち帰る)
  • 接着剤(壊れそうな化石は接着剤で固めてから取り出したり、持ち帰る)
  • カメラ
  • 軍手
  • ゴーグルか防塵メガネ(岩石を割った時に飛散する破片から眼を守るため、安物のプラスチックのサングラスでもないよりマシ)
  • ヘルメット(落石の危険がある場所で)
  • 帽子(色は白系。特に夏季・秋はスズメバチが活動的になるのでスズメバチを刺激しない白にしてください。衣服も出来る限り白色系。黒っぽいものは避けます)
  • 虫刺されの軟膏
  • 熊が出るような所では熊よけに音の出る物(ベル、ラジオ等)
  • その他、考えたら切りが無いので目的地に合わせて考えてね。

採集入門

  1. 目的地に着いたら、先ず地図で現在地を確認すること
    携帯電話などのGPS機能、ハンディーGPS、ポータブルナビなどで数メートル~20メートルぐらいの誤差で現在地は判明しますが、地形図などの地図でも確認しておきます。
  2. 化石を見つけたら、化石を取り出す前に周囲を観察して記録すること
    できるだけ正確な位置 、地層だったら傾き・方向、地質
  3. 化石のスケッチや写真を撮る
  4. 化石は、周囲の石を含めて大きめに採る。現地で細々取り出すより、自宅で時間をかけて化石を取り出す方が安全