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湯沸しや魔法瓶に付いた白い物とそれを落とす方法

湯沸かし器(やかん)や電気ポット、沸かしたお湯が冷めないように入れておく魔法瓶を長期間使っていると、内部の底やパイプに白いものが付着するようになります。
硬く、削り落とすと卵の殻を砕いたように見えます。

湯沸しや魔法瓶に付いた白い物の正体

この白いものは、主に炭酸カルシウムで、卵殻や貝殻と同じものです。
魔法瓶の内側に付いたしろい塊(フレークス)の写真
手許にある魔法瓶の取り扱い説明書には「フレークス」と書かれています。

ところで、ミネラルウォーターのひとつの定義にミネラル(無機物)を含むこと、というのがありますが、 やかんに付いた白いものを見ると、普通の水道水にもミネラルが含まれていると感じます。
多くの水道水の源水になっている河川の水には、炭酸水素イオンが一番多く含まれ(1リットルに約30mg)、 次いで、溶存ケイ酸(1リットルに約19mg)、硫 酸イオン(1リットルに約10mg)、 カルシウムイオン(1リットルに約9mg)、ナトリウムイオン(1リットルに約7mg)、塩化物イオン(1リットルに約6mg)、 マグネシウムイオン(1リットルに約2mg)などが含まれています。
ただ、日本の河川は下水を処理したものが流れ込んでいるので、 これらの成分が綺麗な山々の岩石や土中に含まれている無機物が水に溶け込んだものとは限らないのが欠点です。
前にテレビ番組で、東京都の水道局に勤めていた方が、東京の水道水はミネラル・ウォーターだと言っていました。
成分的にはミネラルたっぷりなんでしょうけどね・・・

白いもの(炭酸カルシウム)が水から出来てしまう理由

水道水に一番多く含まれている炭酸水素イオンが水を沸騰させると、イオンから水素が離れて炭酸イオンと二酸化炭素と水になります。
こうして生成された炭酸イオンが、やはり水道水に多く含まれているカルシウムイオンと結合して炭酸カルシウムとなって析出します。

魔法瓶などに付いた白いもの・フレークスを取る方法

炭酸カルシウムは有害物質では無いので気にならなければ取ることは無いですが、湯沸しや魔法瓶の湯を出す部分を詰まらせるので除かないと湯の出が悪くなります。手指が届かない部分は、 フレークス(炭酸カルシウム)は酸で溶けるので、食酢やクエン酸を溶かした水溶液を入れておけば溶けて無くなります。
手許にある魔法瓶の取説には、「フレークスを除くには、魔法瓶の定数量の熱湯にクエン酸大さじ3倍程度を加えて3時間放置、 その後、柄のついたスポンジブラシで洗う」と書かれています。