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下着に付いた血液の落とし方

(ドラッグストアーなどに血液を落とす洗剤が売っていますが)
血液の汚れは赤い色のヘムとその他の成分です。
そして、血液はタンパク質で作られているので、温度が40数度から変性し始めて落としづらくなります。
タンパク質の温度による変性はゆで卵のようになることで、衣類に付着した血液が変性すると繊維の間に入り込んだまま固まってしまうので除きづらくなります。
このため、洗う場合の水温は40度以下 がよく、冬季の水道水の様に冷たくてもかまいません。
血液汚れは直ぐに落とすのが容易なのは勿論ですが、白い木綿下着の場合は布地の傷みにそれほど気を遣わなくてよいので汚れてから数日でも綺麗に落とせます。

先ず、衣類用洗剤で普通に洗います。
酵素入り洗剤の場合には、酵素が働きやすくするために少し温かい水を使って、洗剤液の中に30分ぐらいは浸しておきます。
タンパク質分解酵素入りの洗剤 を使うと、これだけでも落ちるかも知れません。
次に軽く水洗いをして脱水し、血液で汚れている部分に、台所のレンジ周りの洗剤・マジックリン(青色のマジックリン)の原液をかけます。
マジックリンにはタンパク質分解酵素が含まれているそうです。
マジックリンに限らず、タンパク質分解酵素が含まれているものを使います。
因みにタンパク質分解酵素は生のパイナップルにも含まれています。
食べたときに舌がひりひりしたときは舌の表皮がパイナップルの酵素に触れています。
肉料理にパイナップルを使うと軟らかくなるのもタンパク質分解酵素によります。

このまま10~20分ほど置くと、血液で汚れた部分が薄い茶色になります。
まだ、血液の汚れっぽかったら、水洗いしてまたマジックリンの原液をかけます。
これで、血液っぽい汚れは無くなりますが、茶色っぽい汚れが残ります。
そこで、水洗いでしてから、台所で使う塩素系漂白剤 に浸けます。
汚れが酷いときは原液を掛けてもよいですが、30分以上浸けておくと布地が傷むのでなるべく短時間にします。
注意 :色物や上質の布地の場合は、マジックリンで布地が傷まないか、同質の布地の端切れなどで確認してください。
できれば、タンパク質分解酵素入りの衣類用洗剤を使ってください。
塩素系漂白剤は色を落とし、布地を傷めるので上質な布地には使わないでください。
酸素系漂白剤なら使えるかも知れませんが、製品の注意書きに従ってお使いください。