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ブルーシートによる屋上の日除け

陽射しの強い夏期、屋根に直下の部屋は夜間になっても気温が下がり難くいです。
その原因は、屋根が日中に受けた熱を溜め込んでいてゆっくり放熱するからです。
特に鉄筋や鉄骨造りで屋根が平らな陸屋根(ろくやね)の場合には、蓄熱効果が大きいコンクリートが敷かれているために、夜間の温度が下がりません。
この解決法で直ぐに思い浮かぶのは屋上庭園です。
屋上庭園は見た目が良いし、園芸好きな方には魅力的で、なおかつ緑の癒し効果が期待できる優れものです。
しかし、既存の住宅に適用するのは非常に難しいものです。
というのは、屋上庭園やベランダ庭園用の軽い土を用いても水を含めば相当な重さになるので建物がその加重に耐えられるか、耐えられたとしても重心を持ち上げてしまいます。

次に、植物の根の蔓延 る力の大きさに耐えるのが容易でないことです。
根の進入を防ぐシートを貼りますが、経年老化で突き破られ、コンクリートの中にさえ侵入します。
最も問題なのは、屋上庭園の寿命が10~15年ぐらいしかないことです。
屋上庭園にしなくても陸屋根の防水の寿命は10~15年ぐらいですが、屋上庭園にしてなければ、素人でも屋上用防水塗料を塗れば雨漏れはしのげます。

という次第で、今回は屋上に日除けを作る方法を試してみました。
日除けには「よしず」を並べる方法が美観的にも良いと思いましたが、屋上のコンクリートとの間に風が入るように「よしず」を並べるには干物作りに使う干し台のようなものを作らなければなりませんから面倒です。

園芸用の遮光ネットが使えるかも知れませんが、実験費用が無かったので断念。
キャンプなどで日除け雨避けに使うタープも考えました。
外せば天体観望が出来ます。
幸い、屋上には手すりが設置されているので、手すりと手すりの間にタープを張れば日除けの完成です。
が、問題はタープが高額なことです。
強風で飛んでしまったら「さよなら」ですから(笑)

次にタープの代わりに思いついたのが、建築現場などで使うシートです。
これも防水と耐久性を謳っているシートは3.6m×5.4mで1万数千円します。
で、落ち着いたのが1枚千円以下で買えるブルーシートです。
工事中みたいで美観的には非常に悪いですが、このくらいの出費なら諦めがつきます。

シートを使う方法で一番の問題点は強風です。
強風のときは外すか、風圧で外れても屋上から飛び出さないようにシートの上に数本のロープを張っておくことにしました。
そして、「柳に風」と言うように、出来るだけ風を逃がすように張ります。
(念の為、強風にはシートでなくても何でも弱いです)
下写真が屋上にブルーシートを張ったところです。
屋上の陸屋根を手摺を利用してブルーシートで覆った写真
左側に雨水の排水溝があるので、左側を下にシートを傾斜させて張ってあります。
この傾斜が緩やかだと雨水がシート上に溜まり、その重さで垂れてしまいます。
また、シートが下のコンクリート(防水塗料が塗ってある)面に着いてしまうと雨水の乾きが遅くなって、防水塗料を早く老化させてしまいますから注意です。
効果は・・・
真夏になっていないので判りませんが、シートの下と陽の当たっている所では手で触ってはっきり判るほど表面温度が違います。
できれば、表面にアルミ箔が貼ってあるシートが良いでしょうね。

利点

  • 資材費が少なくてすむ(ブルーシートとロープ)
  • 取り外しが容易なので、星を観たり、バーベキュー・パーテーをやりたいときには直ぐに外せる
  • 屋上からの雨漏りも場所によっては防げる?

欠点

  • 遮光率が低い
  • 耐久性が無い
  • 強風に弱い 

追記2008/07/12
シートの掛かっていない部分は素手では触れないほど熱くなりましたが、シートの影の部分は十分触れる温度に留まっていました。
直下の部屋の室温上昇はシートが無いときに比べて2度ぐらい低く収まっているようです。
しかし 風速15m/sぐらいの風に30分あおられたら、シートの上にロープを掛けなかったシートのハトメが数箇所切れました。
強風に弱いのを改めて実感しました。
実用的に作るならよろい戸のように陽は遮り空気は通すようにすべきですね、

記2008/07/27
屋上直下の部屋 でも夜間の気温が早く下がるような気がしていたのですが、激しい突風に恐くなってシートを撤去しました。
温暖化の所為なのか突風を伴う雷雨が多くなってので屋上の工作物は恐いです。

追記2008/08/13
お便りを頂きました。
50%遮光の農業用遮光ネットで日除けを作られた方からですが、遮光ネットは思いの外、風に強いそうです。
50%遮光ですと面積の半分は素通しですから風圧は単純に考えても半分、ネットはシートと異なって表側と裏側の気圧差が殆ど無いと考えれば、ブルーシートよりはるかに風に強いことは予想できます