title-logo

人工的にオゾンを作る方法とフロンガスによってオゾン層が破壊される理由

オゾンは、酸素原子が3個結合した同素体です。 “同素体”というのは、同じ原子の結合物質でありながら、原子の配列や結合の仕方が違っていて性質が異なるものを言います。 この場合は、酸素とオゾンがこれに当たります。

オゾン発生装置の構造

オゾンは、色は青っぽく、刺激臭があります。 漂白・殺菌・消臭効果があるため、トイレ関係に使われていますから、刺激臭に心当たりのある方も居られるかも知れませんね。
私が見たのは、熱帯魚や金魚を飼育する際に水槽の水を殺菌する装置です。 タバコ1箱ぐらいの大きさで1万円ぐらいしました。この装置で発生させたオゾンを水中に入れて殺菌します。 もちろん、オゾンの気泡を飼育している魚などに触れさせてはいけません。 オゾンに魚が触れないように網状の物で囲うか、飼育水槽外にオゾン浄化槽を作ります。

当時、私は熱帯魚 に凝って居たのは確かですが、興味の中心は、オゾンを発生させる装置にありました。 が、ケースを開けて拍子抜け、網状電極と白い粉末が入った細いガラス管と、簡単な電子装置があっただけです。
もっと複雑な装置かと思って大枚払った私は、若かったです。

オゾン発生装置の仕組みをご存知で無い方のために説明しますと、鑑賞魚飼育用のエアーポンプからこの装置に送り込まれた空気は、 先ず、ガラス管の中の乾燥剤で湿気を除かれます。
次に、その空気は網状電極の入ったガラス管の中に入ります。
この網状電極には高電圧がかかっていて、放電が起きています。
放電と言っても「パチパチ」音がするものではありません(無声放電)
この放電で空気中の酸素分子が原子になって、原子3個が結合したオゾンができます。 電子装置は、高電圧を作るものですが、電流が極めて小さいので簡単なものです。

オゾン層が生じる理由

人工的なオゾン発生装置の場合、酸素分子を2個の酸素原子に引き離すのに電気エネルギーを使いましたが、 自然界でオゾン生成に使われるのは、太陽から地球に降り注ぐ紫外線の持つエネルギーです。
紫外線領域の光(光量子)が大気中の酸素分子に衝突すると、 酸素分子は(紫外線の波長×プランク定数)のエネルギーをもらい酸素原子2個に分かれます。
O(2)を酸素分子、UV を紫外線のエネルギーとすると
O(2) + UV → O + O
となり、次に、O(3)をオゾンとすると
O + O(2) + M → O(3) + M
となります。
M は触媒として働く分子で、窒素が多いとされます。
この M は、反応で起きたエネルギーをもらい、活発に動き回ります。 この為に、大気上層部の気温は上がります。
この反応によって、波長200ナノメートル以下の紫外線の殆ど、 波長200-240ナノメートル以下の紫外線の一部は、オゾンO(3)と熱に変えられ、地上には降り注がなくなります。

このように生成されたオゾンですが、オゾン内の酸素原子の結合は、酸素分子内のその結合より弱い為、 酸素分子と衝突して消滅したり、生成時より波長の長い紫外線エネルギーをもらって再び酸素原子が離れて消滅します。
生成される量と消滅する量が均衡しているのが自然の状態です。
ここで、気を付けるべき点は、オゾン生成に適した波長の短い紫外線より、オゾンを壊すに適した 波長の長い紫外線の方が量が多いので、常にオゾンは酸素分子より少ないのでオゾン生成の原料となる酸素分子が枯渇することはありません。
逆でしたら地球上の生命はオゾンの活性力で破壊されしまいます。

まとめますと、紫外線は、オゾンの生成時、および消滅時に使われ、また、オゾンに吸収された紫外線は熱となって大気上層部を温めます。
このために、地表に降り注ぐ紫外線量は減ります。

オゾン層が出来る高さですが、高い所は紫外線は多いが、酸素が少ない、低い所は酸素が多いが紫外線は少ない。
という理由で、地表から20~30キロメールの間に密度の高い部分があります。

オゾン層がフロンガスで破壊される理由

フロンガスがオゾン層を破壊し、地表に届く紫外線量が増え、その結果、皮膚ガンが増えると警鐘を鳴らしたのは、 1974年 F.S.Rowland (アメリカ)でした。

フロンガスは、フッ素・炭素・塩素が結合して出来ています。 オゾン層を壊すのは、この中の塩素です。
エアゾールスプレーの噴射用ガス、廃棄された冷蔵庫やクーラーの冷媒、部品の洗浄液などに含まれているフロンガスが大気上空に昇ると、 紫外線のエネルギーでフロンガスの炭素と塩素の結合が切れて塩素原子 Clが離れます。
上空にはオゾン生成時に出来る酸素原子が浮遊しているので、塩素原子 Clと酸素原子 O が 結合して、ClO が出来ます。
ここまでの説明ですと、紫外線はフロンガスを分解して消耗しているので地表に降り注ぐ紫外線量も減って問題ないように思えますが、 塩素原子 Cl は、オゾン O(3)と反応して
Cl + O(3) → ClO + O(2) 式1
式1の反応で作られた ClO も、オゾン O(3)と反応して
ClO + O(3) → Cl + 2O(2) 式2
となり、式2の反応で作られた Cl は式1の反応で使われるという連鎖反応になり、 オゾンO(3)だけが効率良く減っていってしまい、オゾンが吸収する紫外線量が減ってしまうのです。
その他、一酸化窒素 など50種類上の化学物質がオゾンと反応してオゾンを減らすように働くと言われています。