安価な電磁波検出器は使えるのか?

リサイクルショップで「Electromagnetic radiation detector DT-1130」という物を見つけました。
取り扱い説明書が中国語と英語で書かれた、中国製電磁波検出器です。
電磁波検出器Electromagnetic radiation detector DT-1130で高圧線下で計測している写真
箱には高圧送電線が描かれ、一昔前起きた高圧送電線有害説を思い起こさせます。
この有害説、高圧送電の周囲に生じる強い電界や磁界を日常的に浴びていると、白血病になったり腫瘍が出来る可能性が高くなるというものです。
日本国内ではこの説は否定されているようですが、自然界ではありえない環境に身を曝さない方が良いのは確かです。

家庭用電灯線に密着させると、この電磁波検出器の指示値(単位不明)は軽く1000を超えてしまいますが、4cmぐらい離すと0になります。
ノートパソコンのインバー ター式電源アダプターでは密着させると1999を超えて振り切れ、8cmぐらい離すと0になります。

取り扱い説明書では、50Hz~2000Mhzまでの電磁波(電波)を検出できることになっていますが、422Mhz帯の特定小電力トランシーバー(10mW)を極接近させても0から動かないので高周波帯の感度は非常に悪そうです。
特定小電力トランシーバーの電波出力があれば、 簡単なもの で電磁波を検出できます。
携帯電話では出力が数十倍以上あるので、15cmぐらい離しても300位示します。
携帯電話程度では身体に害は無いと言われていますが・・・

筐体を開けてみると、電磁波を受信するための簡単なアンテナと、その大きさを表示する回路しかありませんでした。
電磁波検出器ですからこれだけでよいのでしょうけど、この低感度では心もとないです。
さて、工場に送電している高圧送電線近くに電磁波検出器を持っていってみました。
が、送電線の真下でも指示値は0のまま全く動きません。
送電線の下にある鉄道の陸橋の上では、検出器の向きに関係なく1400近くを示しました。
送電線に地上高の半分近くまで近づくと、電灯線を密着させたぐらいの影響を受けるようです。
ただし、人体が電磁波の影響を受けるとしても、その周波数によって受け方が違いますから、周波数とその電磁波の強度を知る必要があります。
このような簡易な検出器ではそこまで判りませんが、携帯電話やトランシーバー、無線LANなどの無線通信機器から出る電磁波、電子レンジから漏れる電磁波、電力送電線の周囲にある電磁波などは予め周波数が判っているので対処できます。
電磁波の健康への悪影響で最も気にしなければならないのは電子レンジから漏れるもの、海外製の屋外用の高出力無線LAN装置(日本国内では許可されていない)です。