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風向計・風速計の作り方

風向計の作り方

風向計は風が吹いてくる方向を知るものです。原理は非常に簡単です。
敷きや厚紙の端を持って、それを風に当ててみてください。
下敷きや厚紙の、手で持っていない方の端が風下に流されるはずです。

下図はその説明図です。
風向計の原理の説明図
黒い矢印の部分を手で持っています。
すると、風は手で持っている位置の左右に同じに当たりますが、青い部分より赤い部分の方が面積が広いので風によって生じる力(図では力A)の方が青い部分で生じる力(力B)より大きく、しかも、赤い部分の方が手で持っている位置から遠くまで風を受ける部分があるので、力Bよりいっそう強くなります。
正確に言うと、力Aの方が力Bより回転モーメントが大きいと言います。

回転モーメントは、ある点を中心に回転させようとする力です。
上図で は手で持っている位置(黒矢印)が回転の中心になります。
上図では力Aが力Bより回転モーメントとして大きいために赤い部分が左側(風下)に動きます。
風の流れに対して下敷きや厚紙が完全に平行に位置している場合には、回転モーメントがゼロになってしまうので、青色の部分が風下を向く可能性もあるのですが、実際には完全に平行になることはありません。
というのは、板などに風が当たると、板との間の気圧が低くなるので板が傾くのです。
金属板やアクリル板を雄鶏の形に切り抜き、鶏の頭部に近いところで自由に回転できるように取り付ければ、このままで、風見鶏 になります(頭部に重りを入れてバランスをとること)
この風向計の原理から下のような風向計が考えられます。
風向計の構造の例図
上図右は風を受ける板を2枚にして角度を持たせたものです。
風向計が完全に風の吹く方向を向いている時でも左右の板に風圧が掛かっているので安定しています。
雄鶏の頭部付近で支える風見鶏ではバランスが悪いので中ほどで支え、上図の風向計の回転軸と一緒に回転するようにすれば、見栄えがよくなります。
風の向きの変化によって自由に回転するように支える部分ですが、短期間使う程度でしたら、適当なパイプに挿し込んでおくだけで十分です。

次は風速計です。
扇風機の電源が切られているとき、窓などから入ってきた風を受けて羽根が回っているのを見たことはありませんか?見た目は風力発電機のようですね。
模型用の直流モーターは直流発電機になる ので模型用モーターに羽根をつければ風力発電機の模型になります。
模型モーターとプロペラで作った風速計の写真
ここでは、羽根の回る回転数と発電する電力の大きさに関係があることを利用して、風速計を作ってみます。
モーターを回すとき、乾電池1本より2本直列につないだ方が早く回りますが、発電機にした場合は、その逆になるわけです。
それで、上図のようなものを作ります。
難しいの風を受けて回る羽根(プロペラ)です。
木片を削って作れば完璧なものが出来ますが、ゴム動力模型飛行機の安価なものから借用するのが簡単です。
次の難題は、プロペラの軸とモーターの軸を接続する方法です。
モーターで動く模型船のプラモデルの中に、接続する物が入っていることがあるので利用します。金属用接着剤やパテ(穴などを埋めるもの)を多用すると簡単ですが、良い接着剤を選ばないと耐久性は落ちるかも。

自作部品を扱っている模型店なら全て揃ってしまうようなものばかりです。 
モーター利用の発電機が作った電気を測るには電圧計(或いはテスター)を使いますが、 電圧計を持っている方は少ないと思いますし、お持ちでも常時接続しておくわけには行かないでしょうから、 100円ショップなどで売られている乾電池の容量計(残量計)を使うのが良いでしょう。

乾電池の電極を当てる部分にモーターから出ているコード(導電線)を繋ぎます。
乾電池の容量計の筐体(ケース)を開けてメータや抵抗器だけ外して使った方が綺麗に出来ますが、とりあえず、筐体を開けないで接続し、モーターの軸を手で回してみます。
右回り左回りで発電する直流のプラスマイナスが異なるので、モーター軸に羽根(プロペラ)をつけて風を受けてみて、乾電池の容量計の針が左に振れてしまうときは(0よりマイナス方向)、コードの接続を逆にします。

プロペラを使った風速計は、風に向かって設置する必要があるので風向計の先の部分につけます。 しかし、風向きによって風向計が回転するために電気配線に工夫が必要になります。 この点に関しては最後に触れるお椀型風速計の方が簡単です。

発電機を使った風速計は、模型工作用の細い電線を部屋の中に引き込むだけで、部屋に居ながら外の風の強弱が判ります。正確な目盛りがつけられなくても実用価値は十分です。
また、プロペラの形を変え、どんな形がよりよく回転するか研究すれば風力発電機の自由研究になります。
LEDを使った手回し発電機付きの照明器具 が安価で出回っていますが、この種の物には超小型の交流発電機が使われていることが多いので、 発電機だけ取り外して模型直流モーターの替わりにプロペラをつければ、回転数に比例した交流の周波数が出力されますから、 この周波数を測れば回転数が判ります。

パソコンケースファンを利用して風速計を作る

リサイクルショップのジャック売り場に転がっていることがあるパソコンケース用の送風用ファンを思い出しました。
ノートパソコンにはファンが無いものがありますが、デスクトップ型パソコンにはケースにも送風用のファンが幾つか付いています。
デスクトップ型パソコンの送風用ファンの写真
アマゾンでも売られています。
パソコン用ファン

このケースファンの電源を接続する端子に電圧計にしたテスターを繋いだら風速計になるのでは、と。
パソコン用送風ファンを風で回して発電する電気を測っているところの写真
ドライヤーの送風でケースファンの羽根を回すと、予想どおり直流電圧が出ました。
このファンの場合は、風速8m/Sで2.6V、風速5m/Sで0.7Vでした。風速5m/Sより風が弱いとファンが回りません、いったん回り始めると5mより弱くても回り続けますが、目算が外れました。
ケースファンの出力電圧を風速に変換して表示するまではワンチップマイコンで出来ますが、趣味で作るのか、強風警報システムなどを作るのでなければ風速計は買った方が安いです。

風速の目盛りをどうやって付けるか

正確な風速計と並べて、風速5メートル時は、1ボルトとか出来れば良いのですが、風速計を買うわけにも行きません。(市販されている風速計を持っていれば作る必要が無いので)
学校等に風速計があったなら使わせてもらってください。
風速計もデジタルになって安くなっていますから、購入してもよいですが。
私は近くの店に置いてあったの偶然見つけて、購入しました。

私たち普通の人が初めて見たコンピューター(マイコン)は電卓だそうです。 コンピューターが作られる前は計算は足し算用引き算用というように別々に電子回路を作ったり、 機械式に歯車の組み合わせで演算回路を作っていましたから大量生産が出来ずに価格も高くなっていました。 それが電子回路は同じで命令だけで色々な計算が出来るようになると、 LSI,超LSI生産技術の進歩もあって何でもこなせる電子回路の塊マイコンは劇的に安価になりました。
風速計を作る話で・・・とお思いでしょうが・・・

ハンディー風速計(URCERI MT-915)を1千円で入手しました。
ハンディー風速計(URCERI MT-915)の写真
風速計も安くなったものですが、小型風力発電機出力の直流電圧か交流電圧を電子回路で変換して風速で表示しているだけなので精度を求めなければ安くても不思議は無いです。
アマゾンで風速計を漁っても安価なものがあります。
風速計

風速目盛まで完全に自作に徹したいなら、かなりいい加減ですが、風の無い日に、完成した風速計を車の屋根に載せて走るという方法はあります。 
空気が動く(風)代わりに風速計が動くわけです。
どうして同じになるか、考えてみてください。

車のスピード(時速 キロメートル) 風速(秒速 メートル)
10 2.7
20 5.5
30 8.3
40 11.1
50 13.8

しかし、車に載せる方法は絶対にしないで下さい。非常に危険です。 特に、乗用車の窓から手を出して風速計を持つなどいうことは、絶対にしないで下さい。
車のスピードメータの表示も正確なものではありません、実測より数パーセント速く表示されるのが普通らしいです。
車のスピードメーターよりGPS信号を受信して速度や移動距離を出すアプリを使った方が正確です。

お椀型風速計(下図左)のように水平平面内で回転する型の風速計は、 1回転したときの風速が回転の中心から半球の中心までの半径 r としたときの円周2πr に等しいので、 空気抵抗や回転摩擦、発電機の負荷などが計算できれば、風速も計算で求められそうです。
計算によって風速を求めるときの説明図