風速計より簡単に作れる風圧計の作り方

風速計はむずかしいと思ったら、下図のような風圧計(?)を作ってみよう。

風圧計の構造説明図
材料は、 厚紙
針金(直径1ミリぐらい)
ストロー(ジュースなどを飲むストロー)
接着用テープ
(セロハンテープやビニールテープなど)

道具は、 ペンチ(針金を切って、曲げられるもの)
工作用ハサミ

風圧計の作り方

上図のように組み立てます。
  1. 厚紙を適当(てきとう)な大きさの四角形に切ります。
    たて20センチ、よこ10センチぐらいがいいかも。
  2. 1で切った紙の短い方(例のサイズなら10センチの辺)にストロー付けます。
    ストローの長さは、付ける紙の辺と同じです(例のサイズなら10センチ)。
    接着剤でつけられればよいのですが、ストローは接着剤が付きにくいの で、テープで止めてしまいましょう。
  3. 次にストローを付けた反対側におもりを付けたいのですが、後にしておきましょう。
    そのわけは実験するとわかります。
  4. ストローに針金を通し、図のように折り曲げます。
    紙がブランコのようにふれ、置いても倒れないように、針金をまげて台を作るわけです。
  5. 最後、これは図に描かなかったのですが、風圧計ですから目盛(めもり)が必要です。
    目盛りの説明は、風圧計になる仕組みで説明します。

この風圧計の仕組み

できあがった風圧計を風のある場所に置きます。
置き方は、風に対して、ぶら下げた厚紙の面が直角になるようにします。
すると、当たり前ですが、厚紙が風に流されて傾きます。
その傾く角度は、風が強いほど大きいことは想像できますね。
たとえば、野球のキャッチボール、あるいはドッジボールなどで、ボールを速く投げれば、ボールを受け止めたときより大きな衝撃を感じます。
作った風圧計の厚紙部分に当てれば、ボールが速いほど、厚紙は傾きます。

さて、風は空気の流れです。
空気は、窒素と酸素と少しのその他の物がまざって出来ています。
空気や窒素、その他の物も、質量を持っています。
ですから、空気をボールと考えれば、空気の流れ(風速)が速いほど、この風圧計の厚紙は大きく傾きます。
風圧は、風速の二乗に比例して増加するので、風を受ける板の傾きを測れば風速計になります。
風圧=定数×風を受ける面積×風速×風速
ただし、風圧によって板が傾くと、風を受ける面積と、 同じ面積でも風と風圧の関係が異なるために(上式において、定数の値が変わる)、板の傾きと風速の関係が直線になりません。
この風圧計の厚紙が重いほど、厚紙の下端に付けた錘が重いほど風に対して抵抗になって傾かなくなります。 ですから弱い風を測りたいときには、おもりを軽く、強い風のときは重くします。
目盛りは、 厚紙の傾きを測るのですから、分度器のようなものを付ければいいですね。
こんな簡単な物でも、私たちが心地良いと思うくらいの風では殆ど傾かないのに風が強くなると水平になってしまうほど傾いてしまということです。強風の恐ろしさは、風圧は風速の自乗で効いてくるということです。

風圧というのは空気の分子がある速度でぶつかったときの衝撃力ですから、風がぶつかる物の形状を簡単なものにすれば比較的簡単に計算することができます。 板の面積に比例し、風速の二乗に比例すると前記しましたが、正確には下記になります。
風(動いている空気)を遮るために板を風に対して直角に立てたときに、
面積Sの板が受ける力(kgf)は、
抗力係数×板の面積(m^2)×空気の密度(Kg/m^3)×空気の速度(m/s)×空気の速度(m/s)÷重力加速度(m/s^2)÷2

ただし、α^β はαのβ乗を表し、抗力係数は平板の場合は2
で求められます。
平板上の看板を建てるときは、上記で計算したい値に余裕を持たせた力に耐えられる支柱と土台を作らなければなりません