ピンホール・カメラの作り方

このカメラはレンズを1枚も使いません。
レンズの代わりをするものはピンで開けたような小さな穴です。

普通、カメラで使うレンズは虫眼鏡で使われているのと同じような凸レンズで、レンズに入った光が曲がる(屈折)性質を利用して遠くの物を縮小した像をフィルムやCCD(光を電気に変えるもの)上に作ります。

レンズによる結像の説明図

実物とフィルム上に写る像の大きさやレンズからフィルまでの距離は、 上に挙げた「薄いレンズの公式」で求められます。
 f はレンズの焦点距離

本題のピンホール・カメラは下の図のようなものです
ピンホールカメラの構造の説明図
厚紙で直方体を作り、面に直径1mmぐらいの孔を開け、その面と相向かいの面を すりガラスなどで作れば出来上がりです。
すりガラスが 手に入らなければトレーシングペパーとか、もっと手に入りやすいものでは白い半透明のレジ袋を切って貼ります。
孔を開けた面とすりガラスまでは5cmでも10cmでも好きな長さで構いませんが、長くすると すりガラスに写る像が暗くなります。
すりガラス面に外から光が入ると見づらいので覆いを付けてください。
また、孔の大きさや形は写る像のきれいさに影響するので孔を開けた面を取り替えられるように工夫しておくと良いです。

ピンホールカメラの原理は下の図のように光が直進する性質によっています。
ですから孔が大きいと写る像がぼけ、孔が小さいと今度は光の回折現象によって像がぼけてしまいます。
ピンホールカメラのしくみの説明図
ピンホールカメラでもカメラと言うのですから写真に撮ってみたいですね。
これには、すりガラスのところに印画紙(普通に見る写真の紙)を置いて現像する方法が昔から行われていました。
でも、現像そのものが一般的でないです。
レンズを外せる一眼レフカメラがあれば、レンズの代わりに孔を開けたものを付ければ簡単に写真が撮れます。
レンズを外した部分からボデー内に埃などが入らないようにする蓋の中央に小さな孔を開けると、ピンホール一眼レフカメラの出来上がりですが、・・・

蓋は安くないので、このページの上から2番目の図で、すりガラスを外して、一眼レフカメラのレンズを外した部分にくっつけます。
ピンホールカメラは光の直進性だけを利用したものなのでピントを合わせる必要がありませんから、ピンホールを通った光だけがカメラのフィル面に当たるように出来れば、テープでくっつけようが、黒布なので覆っても構いません。
特に、デジタル一眼レフカメラでしたら現像する手間が無いので直ぐに結果が判って便利です。

ピンホールカメラの欠点は画像が暗いためにシャッターを開けておく時間が長くなることですが、画像が暗いことを逆に利用すると、自動車などのように動きの速い物は写らない写真が出来ます。
(銀塩フィルムやデジタルカメラは高感度なので、感度の低いフィルムを利用したり、デジカメの感度を出来るだけ低く設定する必要があります。または減光フィルターをピンホールカメラの前につける)