植物の根の役割は

6月中旬、近くの公園の生垣になっていたクチナシ(梔子)の新枝を3本ほどもらってきました。
この公園のクチナシは実をよくつけるので挿し木で殖やすためです。
ご存知のようにクチナシの実は食品に色を付ける天然色素です。
ところが、挿す用意をしていなかったのです。土がありません。

それで翌日挿そうと思い、とりあえず水を入れたコップに挿しておきました。
ところがところがです、そのまま4、5日が過ぎ、1月以上経って、棄てようとコップを手に取ると、なんと、1本の枝から白い根が出ているのです。

しかし、上の写真を見ると判るように、この根には細い根がありません。

根には大きな役割が2つあります。
ひとつは栄養分や水分を土の中から摂るため、二つ目は土の中に根を張って身体を支えるためです。

栄養分や水分を摂るのは細い根の役割です。
上の写真のように細い根が無いのは水に挿して置いたので水分を摂るのに苦労しなかったのでしょう。
根が出た梔子の枝はそのまま土に植えました。

余談ですが、植物を殖やすために土に挿す「挿し木」と同じですが、水を入れた器に入れて根を出させる方法を「水挿し」といいます。

自由研究のポイント
同じ種類、同じような大きさの植物を選び、生えている所(環境)によって根の付き方が違うか調べる。
(水挿しの出来る植物と出来ない植物、水挿しの出来る条件を調べる

7月30日「ツユクサ」を切ってバケツに入れておいたところ、 8月3日には根が出てきました。
水を張ったバケツに入れておいたツユクサから出た根の写真
水に不足しないからか細根はありませんでした。
同じツユクサ科のブライダルベールも同じ方法で簡単に殖やせます。

2015年7月11日追記
紫陽花(アジサイ)の剪定は花後直ぐにするものですが、枝が隣家に侵入しそうな部分だけ5月に切り、その枝を水を張ったバケツに放り込んで半日陰に置いておきました。
すると、一ヶ月ほど経って、去年の枝と今年出た境目付近から白い根が、腐り落ちてしまった葉柄の元から新芽が出てきました。
水に挿しておいたアジサイから出た根の写真
上写真のアジサイでは新旧の枝の境目から多くの根が出ていますが、新しい枝だけでも根が出ます。
アジサイの水挿しでは、水を張ったバケツに放り込んで置くだけで7,8割は成功するので挿し木よりは簡単です。
しかし、根が生えているからと無造作に土に植え替えると、蒸散に貢献する葉が大きいだけに枯らす心配があります。
土に植え替えてからしばらくの間は、半日陰に置いて水を切らさないようにしてください