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うどん粉病に砂糖水が効く理由

2015年も今日で終わり、大晦日の夜というと底冷えがするような冷気に包まれる年が珍しくありませんが、今年は暖冬と言われているとおり暖かいです。
もちろん暖冬は植物にも影響を与えていて、1月ほど前に値下がり品で購入した二鉢のミニバラは未だに緑の葉をつけています、ただ、困ったことに 一鉢はこのまま春を迎えそうなほど生き生きしていますが、もう一鉢は葉に白い粉状のものが付き始めたのです。カビの一種のうどん粉病です。
うどん粉病には炭酸水素カリウムなどの薬剤が効くらしいですが、捨て値で買ったものにその何十倍もする殺菌剤は・・・

そこで、検索してみると、黒砂糖水溶液に中性洗剤や米のとぎ汁を入れたものを散布する方法が見つかりました。
要するに、砂糖水の中にカビを浸し、砂糖水とカビの細胞内の浸透圧の違いでカビの細胞を破壊するのです。
極端な事を言えば、食品の砂糖漬けは腐り難く、砂糖そのものは消費期限も無いほど細菌に強いのです
この理屈は、金魚や熱帯魚などの観賞魚では塩水を使って水カビ病を治すのと同じです
塩水の濃度は高いほど良いので汽水に強いメダカ類(グッピーなど)では効果的ですが、魚がどこまで塩分に耐えられるかに掛かっています

ですから、バラのうどん粉病に黒砂糖を使う場合も、黒砂糖に限らず白砂糖でも他の砂糖でも塩でも、バラが耐えらてカビの細胞が破壊されるまで砂糖水や塩水の濃度を上げられればよいのです。
洗剤や米の研ぎ汁を入れるのは、これらが界面活性剤で、親水部分が砂糖水に疎水部分(親油部分)が葉の表面の油分に着いて砂糖水が葉から落ちないようにするためです