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朝顔などの蔓性植物の蔓の観察(自由研究)の方法

アケビの蔓を見ていたとき、朝顔の様な蔓性植物は夏休みの観察に日記に向くのでは無いかと思いつきました。
蔓が伸びる植物は、例えば薔薇や杉の木の様に自分で自分を支えないで既に立っているものに巻きついて身体を保持しています。
他に頼る事もしないで地面を這って伸びる植物もありますから、夏休みの自由研究としては、 「自立する植物、他に寄りかかる植物、地面を這う植物」のそれぞれの特徴などをまとめるのもおもしろいかも知れません。

植物は、太陽光のエネルギー、空気中の二酸化炭素、水によって光合成という化学作用で澱粉などの炭水化物をつくって 自らのエネルギー源にしています。
このため、植物は光(太陽)を求めて光が射す方向に向かって成長して行きます。
余談ですが、 種子は密集して発芽するように蒔き、成長の良いものを残すと良いと言われます。 これは、密集して発芽すると周囲に発芽したものより先に伸びないと他の陰になって光を得られないので自然と成長が早くなる性質を利用とするものです。

ここではアケビを例として取り上げますが、夏休みの自由研究(観察日記)なら朝顔が向きますが、 雑草と言われいるものにも蔓性植物は多いので身近な植物を観察対象にして、それぞれ比較してください。

先ず、こうでは無いか? という説(仮説)を立ててみました。

アケビの蔓も光を求めて上に向かって伸び、蔓の先端から数センチの部分が何かに接触すると接触した物に巻きつき、 その部分が巻き付ける期間は短い。
仮説:
植物には動物の様な眼や考える脳は無いので、 蔓性植物は蔓が何かに触れた時の刺激の継続によって 接触した部分にある細胞内の水分量を減らして細胞の大きさを小さくして曲がるのでは無いか(細胞が小さい方に曲がる)
植物の細胞には動物の細胞と異なって最終的には木質化して堅くなる細胞壁があるので、 巻きつける期間は細胞壁が柔軟性を持っているときに限られるのでは無いか?

蔓が物に接触し続けても蔓がそれに絡みつかない場合があります。
葉が出る付近では葉が出ることを妨げる巻きつき方はしない。
巻き付いている方向と逆向きになるような所に物があっても巻き付かない
アケビの蔓の写真

仮説:
蔓は360度どの方向からの刺激にも反応する訳では無いのでは?
この短い間に運悪く巻きつくことが出来ない場合は、その部分の蔓は硬化し、 その間にも伸びている先(先端から数センチまで)の部分が巻きつくところを探すことになります。
巻きついた部分から蔓の先端まで短い間は自重に耐えられるので蔓は上に向いて伸びますが、 先端までが長くなると自重に耐えられずに垂れ下がります。
次第に、蔓が何かに巻きつくかの様に曲がり始めます。曲がる方向はその植物固有の巻く方向です。
巻きつくところを探しているようなアケビの蔓の先の写真
仮説:
このとき、自重が接触刺激と同じ様な作用を生じるのか?

巻き付くことが出来なかった蔓は、鉤状になりますが、風によって揺り動かされて何かに触れると、 鉤状の部分がそのものに引っ掛かれば外れ難くなり蔓は地面に落ちずに済みます。自然は良く出来ています。

観察から以上の仮説を立て、蔓にマークを付けたり、ルーペや顕微鏡を使っての更に詳しい観察、 同じ研究や似た研究をしたものを図書やインターネット上で探し、自分が立てた仮説が正しいか調べます。
更に疑問が出たら調べて行きます。
この様なやり方は、蔓性植物に限らず、科学、社会現象の研究など、何にでも使える方法です