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タンポポの名前を調べる方法

植物の名前ほど判らないものは無い、というのが私の感想です。
たとえば、誰でも知っているタンポポ、研究者によっては100種類以上に分類されるとか。そこまではともかく、代表的な数種でも同定出来ません。

タンポポの同定に必要な総苞の重要点

タンポポの同定で目を付けるところは、タンポポの花(頭花)と茎の間にある「総苞(そうほう)」と呼ばれている部分です。
総苞は小さな花が集まっているタンポポや菊などに見られ、蕾の時には小さい花の集まりを保護しています。
下の写真は、カントウタンポポの総苞です。
カントウタンポポの総苞
  • 総苞の色と長さ
  • 総苞内片の長さと総苞外片の長さの比
  • 総苞外片の形
  • 総苞外片の小角の有無

タンポポ族の名前を知る方法(主な種の同定方法)

総苞外片が花期には反り返り、花色は黄色

⇒ セイヨウタンポポ
セイヨウタンポポの花2002年2月16日撮影
2002年2月16日撮影
「タンポポの花が咲くのは春」というイメージが強いためか、早い春の到来と間違われるのがセイヨウタンポポです。
在来種タンポポと異なり暑さにも強いために花期は長いです
単為生殖なので繁殖力が強く、暑さにも強いために道端や荒れ地に生えているタンポポの多くを占めています

総苞外片が花期には反り返らない

  • 総苞は黒緑色、花は黄色
    • 開花時の総苞は小さい(長さは1.5cmより小さい)
      • 葉は羽状全裂、裂片は多い、頂裂片は鋭尖頭形、総苞外片は長楕円形、総苞外片には小角は無い
        (全裂は、葉の切れ込みが葉中央の脈近くまで達して居る形状です)
        ⇒ タカネタンポポ
      • 葉は羽状中裂、裂片は鋭頭形か鈍頭形、総苞外片は卵形から広卵形、総苞外片には小角があるか無い
        (中裂は、葉の切れ込みが葉の縁と中央の脈の中間までのある形状です)
        ⇒ クモマタンポポ
    • 開花時の総苞は大きく(長さは1.5cmより長い)
      • 総苞は粉白色(おしろいの様な白)では無い、総苞外片は卵状楕円形、総苞外片には小角がある、北海道以北に自生
        ⇒ シコタンタンポポ
      • 総苞は粉白色、本州中部の高山に自生
        • 総苞外片は卵型、総苞外片は内片の2分の1より短い
          ⇒ ヤツガタケタンポポ
        • 総苞外片は長楕円状ひ針形、総苞外片は内片の2分の1より長い
          (ひ針形は、先が尖り、徐々に元近くまで幅が広がり、その後は徐々に細くなる形状です)
          ⇒ ミヤマタンポポ
  • 総苞は緑色
    • 花色は白
      ⇒ シロバナタンポポ

      シロバナタンポポ2021年3月27日撮影
      2021年3月27日撮影
    • 花色は黄色
      • 総苞の長さは約13mm、総苞外片は長楕円状ひ針形から卵状ひ針形で小角があるか無い
        ⇒ カンサイタンポポ
      • 総苞の長さは14mm~20mm
        • 総苞外片は内片の2分の1より長い、外片に大きくて長い角がある
          ⇒ ヒロハタンポポ
        • 総苞外片に小さい角があるか無い
          • 総苞外片の長さは内片の長さの2分の1,総苞外片の形は卵状長楕円から広卵
            • 総苞外片は卵形から広卵形、角がは無いのが一般的だが稀にある
              ⇒ エゾタンポポ
            • 総苞外片は卵状長楕円形まれに卵形、小さい角がある
              ⇒ カントウタンポポ
              カントウタンポポ2021年3月27日撮影
          • 総苞外片は卵状長楕円形まれに卵形
            ⇒ セイタカタンポポ