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太陽の黒点観測

太陽を望遠鏡で観察すると、シミのように黒いものが見つかります。
この部分は、温度が他より低いので黒く見え、動いたり数が増えたり減ったりします。
天体望遠鏡を持っていたら一度は観ておくと良いでしょう。
黒点の動き、数はスケッチして、日時、観測場所、使用した望遠鏡、観測者名と共に記録しておきます。
この観測は、長く続けることに意味があります。
天文学者も、アマチュアの手を借りたい研究だと言われています。
スケッチより写真に、と考えている方もいるかと思いますが、太陽は明るすぎて、光の量を減らすのに苦労します。
普通のカメラのシャッタースピードでは遅すぎます。
ならレンズを絞れば、カメラに詳しい人は考えますが、黒点の細かいところを観るには、レンズの口径が大 きくなければなりません。

以前は天体望遠鏡の付属品に接眼レンズに付ける太陽観測用サングラスがありましたが、観測中に太陽熱でサングラスが割れると失明する危険があるので、最近は付属されていないようです。
望遠鏡の対物レンズの前に黒いガラス板(望遠鏡用のサングラス)をかぶせる方法もありますが、割れると失明の危険があるので国産品は売られていないようです。

普通は、天体望遠鏡を通して太陽像を白い板の上に映して観る方法が推奨されています。
下図のような物で、市販品を用いるなら、望遠鏡を買った店、メーカーなどにきいて下さい。
太陽像投影法の器具の説明図
「自作できそうだ」という方の参考に。
A と B の部分には、軽いアルミアングルを使うと良いと思います。
パイプの方が格好は良いでしょうが工作が面倒です。
A の部分の長さは、映す太陽面の大きさによって違います。
大きく映そうと思えば、当然長くしなければなりません。
B も長くなりますが、それだけ重くなるので強度を考えて決めて下さい。
一番大変なのは、望遠鏡に付ける部分です。下の図を参考にしてください。 大切切なことは、望遠鏡の架台の負担にならないように軽くすること。
白色の板に映る太陽が正しい円になるように作ることです。
(対物レンズ面、接眼レンズ面、投影版をそれぞれに対して平行を保つように作る)
太陽像投影法の器具の自作の方法の図
天体望遠鏡を太陽に向けるときにもファインダーを覗いてはいけません。

太陽に望遠鏡を向ける方法は太陽像を映す白い板に落ちる望遠鏡の陰です。
円柱の陰を最も小さくする方法は円柱を光源に真正面に向けることです。
望遠鏡を太陽に向けたいときの影の使い方の図
望遠鏡の倍率も40倍、60倍という低い方が楽です。
接眼レンズはハイゲン式の「H」「MH」と書いてあるものが熱に強くて好都合です。
焦点距離の短い高級接眼レンズは複数のレンズを貼り合わせてあるので太陽熱で剥がれて壊れてしまうことがあります。