天体望遠鏡を使って木星を写真に撮る方法

「衝」では、太陽の光を受けた木星の面が地球から最もよく見えるので、唯でさえ明るい木星の光度が最大になります。
ですから、観測観望には好都合な訳です。
これだけ明るいと写真に写るかも、と思いついて、天体望遠鏡とデジタル一眼で木星を撮ってみました。
天体望遠鏡とデジタル一眼レフ・カメラを繋げるTリングを持っていないので、正直、見せられるほど写るとは思っていませんでしたが・・・
カメラアダプター無しで天体撮影をするのは無謀です(苦笑)

左の写真は、対物レンズに蛍石(フローライト)を使っているビクセンの天体望遠鏡FL-90Sの直焦点で木星を撮ったものです。
天体望遠鏡FL-90Sの直焦点で撮った木星の写真
Tリングが無いので、望遠鏡は自動追尾させましたが、カメラは三脚に固定してセルフタイマーで シャッターを切りました。
木星本体を挟んで斜めに4つある点は、ガリレオ衛星です
撮影日時:2012年10月18日21時45分
ニコン40D 感度ISO400 露光2分の1秒

下写真は2枚とも、ニコンD40+COSINA 100-300MM F5.6-6.7 MC MACROの300mm端でカメラ三脚に固定して撮ったものです。
感度設定は2枚ともISO1600
COSINA 100-300MM F5.6-6.7 MC MACROの300mm端で露出1秒間で撮った木星の写真
2011年11月16日17時56分
露出1秒
COSINA 100-300MM F5.6-6.7 MC MACROの300mm端で露出15秒間で撮った木星の写真 2011年11月16日16時0分
露出15秒

ガリレオ衛星が何とか写ったので気をよくして木星本体の撮影に挑みました。
惑星を撮影するには、望遠鏡の接眼レンズで、カメラのフィルム面(或いはCCDやCMOS撮像面)に像を拡大投影します。
このとき使われるのが、拡大撮影アダプターですが、拡大撮影用の接続器具を持っていないので、下写真のように、接眼レンズから光が出る方向にレンズを外したカメラを三脚で固定して、セルフタイマーでシャッターを切りました。
アダプターを使わないで望遠鏡の直焦点で写真を撮るときの写真
写真では望遠鏡の接眼レンズとカメラの間を覆っていませんが、撮影するときには周囲からカメラに光が入らないように黒いもので覆いました。
この撮影時も望遠鏡は木星を自動追尾させましたが、カメラは固定したままなので画像は流れてしまっています。
ビクセンFL-90S望遠鏡の直焦点で撮った木星の写真
左:露光2秒 撮影時:21時14分 右:露光5秒 撮影時:21時23分
望遠鏡:ビクセンFL-90S
接眼レンズ:オルソスコピック6mm
カメラ:ニコン40D 感度ISO400
左と右の写真は撮影時の拡大率が異なっているので大きさが違っています。
かなりいい加減な方法でこれだけ撮れるのですから、カメラの腕が良いと言いたいですが、天体望遠鏡とデジタル一眼レフカメラの性能が良かったようです。