title-logo

ホーム > 科学系記事サイトマップ >

天体望遠鏡ドブソニアン型架台製作案

ホームセンターや家電量販店などで3万円前後で売られている反射望遠鏡は使い物にならないほど貧弱な架台(赤道儀)に載せられていることが多いものです。
しかし、反射鏡(対物鏡)はそれほど悪くはありません。
オルソスコピックなどの良質な接眼レンズを使うとけっこう良く見えたりします。
高倍率での惑星観測は諦めて低倍率での星雲星団などの観望用にすれば、鏡筒の横から覗くニュートン式なので天頂付近を観るのにも屈折望遠鏡のように首が疲れず好都合です。
低倍率なので微動装置は要りませんから簡単な経緯台でかまいません。
セットになっている赤道儀に飽きたらと思い、日曜大工でも作れるというドブソニアン型の架台を考えてみました。
私も使い物にならない赤道儀に載った反射望遠鏡を持ってい るので暇が出来たら実際に作ってみたいと思っています。

鏡筒はそのまま使うので、下図のようになります。
考えてみたドブソニアン型の架台の完成イメージ図
材料は、合板、木材用ネジと接着剤、ボルトとナット、蝶番2個、角材、 発泡スチロール、木材用塗料、薄いプラスチック板か金属板、シリコン系の潤滑材

一番面倒なのは水平方向と垂直方向に鏡筒を動かす可動部の動き加減です。
木材同士でもシリコン系潤滑材を含ませると滑ります。
動きが悪いときには薄いプラスチック板か金属板を2枚挟んで、その間に潤滑材を付けると動きが良くなります。
しかし、動きが良ければいいという部分では無いのでアイデアの出しどころです。

次に面倒なのが鏡筒を架台に付ける部分です。
ドブソニアン型の架台の鏡筒を固定する部分の図
合板で「コ」の字形を二つ作り、蝶番で二つを繋ぎ、鏡筒を挟んで、「コ」の字形の他方はボルトと蝶ナットで繋ぎます。
このままでは鏡筒が落ちてしまうので、発泡スチロールを「コ」の字形の木枠に入れ、鏡筒が入る大きさより若干小さめに切り取ります。
上図の白い部分が発泡スチロールです。
「コ」の字形の中央には太いボルトを通しておきます。
このボルトが鏡筒の上下方向の回転軸になります。
発泡スチロールはニクロム線に乾電池などの電源を繋ぎ、高温にしたニクロム線で切る「発泡スチロールカッター」容易に切れます。

鏡筒を支える台の部分は、合板で下図の様に作るだけですが、問題は鏡筒を支える軸受けの高さです。
ドブソニアン型の架台の鏡筒を支える位置を示す図
上図のように天体望遠鏡を水平に向けたとき、回転の中心(軸受け)に対して鏡筒が自然に止まるのが理想です。
しかし、鏡筒の重心が鏡筒の中央付近にあると、図のLが長くなり、水平から天頂まで望遠鏡を向けるようにするには軸受けを支える板が長くなり、構造的に弱くなり、全体の重心も上がって不安定になります。
鏡筒が短い場合は句になりませんが、長い鏡筒の場合には回転の中心を鏡筒の重心より反射鏡よりにして、鏡筒の下(反射鏡がある方)に錘をつけてバランスを通る方が良いかも知れません。

下左図は地面に設置する台部分です。3本の短い脚をつけて 地面が平面でなくても安定するようにし、中心に孔を開けて太いボルトを通し、下右図の台(鏡筒を支える部分)を載せます。
ドブソニアン型の架台の水平回転機構の説明図

回転部分にはホームセンターで売られている回転板を使うことも出来ます。
これは一辺が20cmほどの正方形の金属板2枚の間に大きなベアリングが挟まっているものです。
最後に、夜露で合板が湿ると合板がもろくなるので塗料を塗っておきます。