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Zoom-NIKKOR 80-200mm F4 は天体撮影に向くか?

i Zoom-NIKKOR 80-200mm F4 は40年以上前に発売された、当時としては高級レンズです。

しかし、時を経てニコンD40に付けると、ピント合わせはもちろんのこと、露出計も働かないので40年以上も前の撮影テクニックを必要とするレンズになってしまいました。
しかし、天体を撮影するにはオートフォーカスなどは必要ありません。
中古で1万円以下で購入できる焦点距離200mm F4は、200mm EDレンズ F2.8が買えない身には魅力です。

F4では露出時間がF2.8の2倍必要ですが、安価な望遠レンズF5.6の露出時間の半分ですみます。
しかも、Zoom-NIKKOR 80-200mmは開放値でもよく写るという評価があるのは天体撮影には魅力です。
と思ったのですが、次世代の安価なレンズに負けたようで す。

齢10の月が出ている夜で星野写真撮影には向きませんでしたが、このレンズ(AiZoom-NIKKOR 80-200mm F4)でプレアデス星団を撮ってみました。
AiZoom-NIKKOR 80-200mm F4で撮ったプレアデス星団
f 200mm F4 D40 ISO1600 露出5秒(2012/11/24 20:15)
カメラ用三脚を使った固定撮影なので星像が流れていますが、9等星ぐらいまで写っているようです。
しかし、色収差のために明るい星が赤紫っぽく写っています。
望遠鏡の収差が明るい星を見たときに顕著になるのと同じです。

銀塩カメラがオートフォーカス時代に入った頃に発売されたらしい、SIGMA ZOOm 28-200mm UC と木星を撮って比べてみました。
Ai Zoom-NIKKOR 80-200mmとSIGMA ZOOm 28-200mm UC で撮った木星の比較写真
左側がAi Zoom-NIKKOR 80-200mm 、右側がSIGMA ZOOm 28-200mm UC
どちらもカメラはNIKON D40 ISO1600 露出は0.5秒 F5.6 f200mm
撮影日時は2012年12月4日です。
Ai Zoom-NIKKORでは木星本体に明らかな色収差が見られます。
SIGMA ZOOm 28-200mm UCは安価なレンズですが、いくらか新しいだけ収差が補正されているようです。
EDレンズ、非球面レンズを使っていないカメラレンズは天体写真には使えないという教訓でした。