土星としし座α星レグレスの共演

この記事は2008/04/24の設定で書かれています。

東京では19時39分頃、南中(真南)の高度66度付近に「しし座のレグレス」が見えます。
レグレスは光度1等星の白い星です。
この9分後レグレスが通った所より月1個分ほど下を土星(光度1等)が通過します。
この付近にはレグレスと土星以上明るい星が無いので土星を探すには便利な時期ですが、今回の話は天球上でのレグレスの位置です。

地球を中心から見た場合の太陽の通る道を「黄道」と呼び、他の惑星も黄道に
沿って通ります。
理由は、黄道は太陽の中心から見れば地球の公転している道で、この道と太陽の中心を通る面の南北数度以内を他の惑星も通るからです。

で、問題のレグレスは、黄道から0.5度以内に位置しているので、太陽や惑星と会合(極近くになる)することがあります。
また、黄道は月の通り道である白道と5度傾いて交差しているために、レグレスが月に隠さることもあります。
このため、西洋占星術師はレグレスに近づく、太陽、月、惑星によって皇帝の運命を占いました。

レグレスのように黄道に近い星は、さそり座のアンタレス、うし座のアルデバラン、南うお座のフォマルホートがあり、レグレスを含めて「王星(ロイヤル・スター)」と呼んでいます。
因みに、レグレスという名は、地動説を唱えたコペルニクスがラテン語の「王」から付けたものです。
しし座は皇帝の星座なので王星の中の王なのでしょう。

因みに24日1時前にアンタレスと月が1度まで接近していました。
5月13日にはレグレスと月が2度弱まで接近します。
レグレスが太陽と会合する日時は、8月23日2時頃です。

土星とレグレスの位置関係は当分現在のままです。
土星は約30年かけて太陽の周りを回る動きの遅い惑星です。
話はそれますが、30年も掛かるので西洋占星術では「晩年の星」と言われ、土星を持つ人は苦労の多い人生になり、良く解釈して、晩年には大成すると言われます。