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重力が生じる理由と重力を測る簡単な方法

りんごが落ちることからニュートンが発見した、 という逸話のある「重力」とは何かを説き、重力を測ってみようというのがこのページのテーマです。
重力とは質量がある物質が地球に引かれる力です。 正確には、ニュートンの万有引力の法則で求められる「物と地球とに間に働く力」と地球の自転による遠心力とを合わせた遠隔力です。ただし、遠心力は小さいので普通は無視しています。
遠隔力というのは、普通の力が、車の衝突、槌で打つ、置くというように物と物が接触することによって生じるのに対して、重力は物と物とが接触しないでも生じているので「遠隔」が付きます。 リンゴが落ちるときもリンゴと地球は接触していませんし、太陽と地球の間や、地球と月の間も接触していないのに万有引力の式で示される力が働いています。

 ニュートンは、質量を持つ二つの物体間に働く引力(遠隔力)を求める式を表しましたが、アインシュタインはその力の根源を質量がある物は空間を歪めるからだと言います。
しばしば譬えられるのが張ったゴム膜の上に鉄球の様に重いものを載せた下図のようなものです。
時空が曲がることによる引力の発生メカニズムの説明図
中央の重い球によってゴム幕がロート状に変形するように空間が歪みます。この図は平面ですが空間は3次元なので想像力が豊かで無いとイメージがわきません。
空間が歪むことによって私たちが力と呼ぶものが働くことが理解しやすいのは、潮の満ち引きが起きる理由です。

質量持つ物体間に働く重力が普通の力と異なるのは遠隔で働くという以外に、重力には磁力や電気力にある反発し合う斥力が無いことです。 それで、空間の歪みが伝搬する重力波は邪魔されずに伝わります。

重力の問題では「無重力」や「無重力状態」があります。国際宇宙ステーションや人工衛星の中は無重力だと言います。 また、無重力を体験するために飛行機のエンジンを切り滑空もしないで落ちることをします。
宇宙ステーションなどは地球に向かって落ちることによって地球の周りを回っていますし、エンジンを切った飛行機は直ぐに地面に激突します。 地球の引っ張られている重力があるのに無重力とは、ここが迷うところです。
宇宙ステーションに搭乗できる方は居無いでしょうし、エンジンを切って落下する飛行機もエンジンが掛からなかったらと思うと恐いものですが、もっと身近に重力の増減を体験できるのは高層マンションや商業ビルなどには必ずあるエレベーターです。 エレベーターでの上昇し始めと下降し始めの違和感が重力の変化で、事実、体重が増減します。
アインシュタインによれば、重力は変化するものです。ですから、エレベーター内で体重を測り、体重が増減してもその値は正しいのです。 私たちの日常感覚では北海道も東京も沖縄も同じ時間と空間ですが、超厳密に言えば違っています。 基準になる絶対空間が存在しないのですから、重力も空間によって変化すると考えるのでしょう。


重力の値が地球上の場所によって異なる理由

重力は、 例えば、質量1グラムの物には1g dyne(ダイン)の重力が掛かっています。
ここで、gは比例常数(いつも同じ値をとる数値)で、重力加速度と呼ばれます。
生活上は質量と重さを同義語に使うことがありますが、科学的には違うものです。質量は地球で量っても月で測っても同じ値です。
質量は、力が物体を動かそうとする時に物体の慣性によって生ずる抵抗の度合を示す量(慣性質量)として定義されます。
重量(重さ)は、物体の質量と重力加速度との積で表されます
dyneは質量1グラムの物体に働いて、毎秒毎秒1センチメートルの加速度を生じさせる力の大きさで、1dyneは10万分の1N(ニュートン)です。
そこで、重力を知るには、重力加速度gの値を測ればよいことになります。

重力加速度は高校生以上の物理になると頻繁に出てくるもので、普通は980cm/s/sという値を計算に使っていますが、
  • 地球が完全な球でない
  • 地球の内部構造が均一でない(鉱物やマグマなどが不均一にある)
  • 地球が自転して遠心力が働く
  • 太陽・月の影響を受けて海水や地下水が動いたり、地球の固体部分が変形する
  • 雨により地下水の位置が変わる
などで、重力加速度は場所によって979から981の間で変動しています。