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視力が回復する方法はあるのか

私が今試みている回復法は「9、3Dイラストを見る」ですが、先ず、眼の光学的構造について簡単に書いておきます。
眼の光学系は光を取り入れる側から角膜、前房、水晶体、硝子体、網膜の順に各器官が並んでいます。
この内、像を結像させるレンズ系は角膜と前房からなる凸レンズと水晶体からなる凸レンズで、2つ合わせて焦点距離約17mmの凸レンズになっています。
この凸レンズによって外界からの光は網膜上で結ばれ、色素の光化学変化を介して脳まで伝えられます。

任意の距離にあるものを結像させるピント合わせは水晶体の周囲にある水晶体小帯を、更にその周囲にドーナッツ状にある毛様体と呼ばれている筋肉で引っ張ることによって水晶体の厚み(曲率)を変えて行います。
このよう に水晶体の曲率を変えてピント合わせをするという説を「ヘルムホルツ説」と言っています。

屈折異常による視力低下では、
  1. レンズの焦点距離に対して網膜までの距離が長すぎる
  2. レンズの焦点距離に対して網膜までの距離が短すぎる
  3. レンズが歪んでいる
が考えられ、1は近視、2は遠視、3は乱視と呼ばれます。

近視にはレンズの焦点距離が短くなってしまったものと、レンズから網膜までの距離が長いもの(眼球が前後に長くなる:眼軸性)とがあります。
眼軸性の近視は、近くのものを長い時間見ていると水晶体の周囲にある毛様体を緊張させてピントを合わせるより網膜との距離を大きくした方が楽だと身体が認識するために起こります。
このためか、近視は近くを見ることが多い現代人に合わせた進化だと言う眼科医も居ます。

眼軸の伸びは前方には眼を支えている筋肉(直筋肉4本と斜筋2本)の力、後方には眼を納めている眼窩 (眼球の入っている、頭蓋骨の深い大きなくぼみ)で制限され、概ね5~7mmぐらいです。
正視の場合は眼軸17mmで無限遠のものにピントが合うのですから、
薄い凸レンズの公式に当てはめて考えて 薄い凸レンズの公式
1/f = 1/a + 1/b
但し f :レンズの焦点距離
a :レンズから被写体までの距離
b :レンズから結像点までの距離
それが7mmも余計に広がってしまったらどう毛様体が頑張って水晶体の曲率を大きくしてもピントが合うはずがありません。
眼軸性近視は、眼の成長は他の部分より早いために、前者は中学や高校の頃までは1.5ぐらいあって後に近視になった人に多く、 後者は小学生の頃には既に近視だった人に多いといわれていますが、 中学高校生の頃に近視になった人も程度の差こそあっても眼軸性近視になっているそうです。
ここからは中学高校ぐらいまでは裸眼でもばっちり見えたという方の視力回復方法を考えてみることにします。
巷には数多くの視力回復法が出回っていますが、私の独断と偏見で考察する限り、 どれも水晶体の曲率を変える為に収縮する毛様体の筋肉を柔軟にしようとしているだけです。
では、ひとつひとつ考察してみます。
  1. 遠望法(遠くの物や星を視る)
    これは昔から言われているものです。
    遠くに焦点を合わせようとすると毛様体が縮んで水晶体を周囲から引っ張て水晶体の曲率を大きくします。(水晶体の曲面が緩やかになる)
    視力の良い方が予防的に行うには良いと思いますが、私の経験では視力低下に悩む段階に入ってからは効果が少なく、場合には弊害があります。
    その理由ですが、視力が落ちてしまっては遠くの物に焦点が合わせることが出来ず、無理に合わせようと努力すると、見えない物の形に合わせようとして眼のレンズ系を歪めて乱視になる可能性があります。
    眼のレンズ系(角膜や水晶体)は流体状なので形が絶えず変化しています。
    それでも正常に見えるということは網膜に結像した像の形を判断して角膜や水晶体の形を補正しているからです。
    逆に言うと、網膜上に形が判らないものが映ったのでは角膜や水晶体の形を補正できないということです。
    ですから、視力が中程度以上悪い方が強いて行うなら、形の判っているもの、例えば「星は点に見えるはずだ」と思いながら夜空の星を視ることをお勧めします。
    角膜や水晶体が容易に変形してしまうことは下図のような同心円をたくさん描いた図を見てみると 直ぐに判ります。
    モアレが見え、そのモアレが移動してあたかも乱視になったよう に見えると思います。 
    (下図は模式図なので見えないと思いますが)
    不正乱視確認用同心円図形
  2. 遠近法
    遠くの物と近くの物を交互に視るもので、これも昔から言われているものですが、1と同じ理由で、遠くの物は、全く見えない距離の物を選んではいけません。
    ちょっと無理をすればよく見えるぐらいの距離なら有効だと思います。
    私の経験ではこの単純な遠近法にも弊害があります。
    例えば、眼前20cmと200cmに置いた物を交互に擬視した場合には、20から200cmの間に毛様体が滑らかに伸縮しない不連続な部分が出来る可能性があります。
    遠近法でも、視ている物を遠くから近く近くから遠くと滑らかに移動させる方法があります。
    テレビで紹介されたことがありますのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、親指の爪にマークを貼って、眼の前から遠く、遠くから目の前と動かしながら爪のマークを視るもので す。
    遠くから目の前に近づけるときは遅く動かし、遠ざけるときは速く動かします。
    『近視はMD-SSで治る』に拠れば、移動させる速さが重要で、近視治療では目の前に近づけるときは遠ざけるときの3倍遅くします。
    この方法でも腕を伸ばしたときにちょっと無理すれば見える大きさのマークを爪に貼っておきます。
    機械仕掛けでマークを動かす方法は一部の眼科医や視力回復を看板に上げている業者で行われているようです。
  3. ベイツ理論といわれる方法
    これは、『眼がどんどんよくなる』という書籍で紹介されているものです。
    ベイツ博士(眼科医1860-1931)は眼のピンと合わせは水晶体の曲率を変えるのではなく、眼の周りの筋肉(直筋4本、斜筋2本  これらの筋肉で視線を任意の方向に向ける)によって行われる、故にこれらの筋肉を柔軟にすれば視力は回復すると説きました。
    『眼がどんどんよくなる』の中で最も効果的なものは「スイング」だと言われています。
    スイングとは両足を肩幅に開いて直立し、上半身を左右に振ります。このとき両腕も上半身の振り合わせて振り、目は開き、緊張せずに外界の景色を見ます。
    身体を動かすことで血行を良くし、自然と目に入るものが動くことで目の周りの筋肉が解れるということなのでしょう。
    私は10年以上前に運転免許書の更新前1ヶ月ほど毎日やっていました。 が、スイングは効果が無かったように記憶しています。
    それで途中から窓際でスイングをし、部屋の中の近くの物と遠くの風景が交互に目に入るようにしました。
    ベイツ説の目の周りの筋肉を解していたのか、ヘルムホルツ説の毛様体を鍛えていたかは不明ですが効果を実感できませんでした。
    このとき効果があったのは、ちょっと無理すればはっきり見える距離にあるカレンダーの数字を擬視する方法でしたが、 上記2で述べた弊害が出て乱視が進みました。
    マール社『HEALING』には、「有名な患者の一人アルドス・ハクスレイは最初の25年間は視力が弱く眼鏡を掛けてもほとんど読めませんでしたが、 ベイツの方法を取り入れて視力を回復し眼鏡が不要になりました」とあります。 非常に時間の掛かる方法のようです。
  4. 眼筋の運動
    眼球を上下左右に動かしたり、回したりする眼筋運動で、導引術では、両手のひらを擦り合わせて摩擦熱で手を温め、 閉じた眼に当てて眼球を動かします。
    涙が出ますが、涙と一緒に悪いものが出て視力が回復するのだそうです。
    この方法で視力が回復するとすれば、眼を支えている6本の筋肉を鍛えて眼球を前方から引っ張って眼軸を短くしているのでは無いでしょうか。
  5. 朝陽や夕陽、蝋燭の炎を凝視する。
    これはヨーガーにある方法です。
    眼を見開いて、瞬きせずに、涙が出るまで凝視します。涙と一緒に悪いものが出てて良くなるようです。
    やったことがありますが、効果はよく判りません。朝陽や夕陽の時間帯には寝ていたり他の用がありますし、蝋燭は面倒でしたから。
  6. ピンホール眼鏡を使う
    ピンホール眼鏡というのはレンズが入っている部分に直径1mm弱ぐらいの穴が多数開いた黒板が入っているものです。
    眼に入る光束が小さくなるのでピント合わせ能力が落ちていてもよく見えます。 眼がピント合わせをしようと緊張しないので毛様体の緊張が解けるらしいです。
    私は100円ショップで買って、遠くの景色を眺めていました。一時的ですが、乱視が多少改善されました。
    緊張が少し解けて角膜や水晶体が本来の形に少し戻ったのでしょうか。
  7. イメージ法
    眼を瞑り、電車や動物が動いているのをイメージしてそれらの動きを追う方法です。 『驚異のゾーンセラピー 視力回復のツボ魔法』という書籍に載っています。
    私の経験では多少良くなります。眼を瞑って空想に耽ると、リラックスし、眼筋が視力の良かった頃を思い出すのか知れません。
    イメージ法では無いのですが、 私は左右の視力が著しく違うので遠近法をするときに片目ずつ行います。 このとき、黒紙で覆っている方の眼が一時的ですが改善されます。左右の眼の動きが連動して実際には視ていない眼にも効果が及ぶようです。
    なら、イメージだけでも効果あり? かもです。
  8. 3Dイラストを見る
    これは一時期話題になりました。3Dイラストを立体視しながらイラストを前後に動かす遠近法で、 左右の眼の毛様体の収縮と左右の眼からの信号でひとつのイメージを作る力が増すようです。
    中度以上の近視になると、遠近法で両眼同時に毛様体を鍛えたり、 左右の眼からの信号でひとつのイメージを作るのが難しいので3Dイラストを見るとある程度は改善されるかも知れません。
  9. 遠視用メガネを常用する
    凸レンズを2枚重ねるとレンズ1枚のときより焦点距離が短くなるので、 遠視用メガネ(凸レンズ)をかけると読書のように近距離を見るときに遠視用メガネをかけないときより水晶体を緊張させずに済みます。
    正視の方が読書をするときの近視予防にもなります。
    眼前50cmぐらいの物を見る機会が多い方は2D(焦点距離50cm)の遠視用メガネ、眼前30cmぐらいの物を見る機会が多い方は3D(焦点距離33cm)の遠視用メガネ、でこれより若干Dが小さい方が予防には良いようです。
    正視の方が近視予防に使うには眼科で処方してもらった遠視用が良いですが、 これ以上悪くなりようが無いと思われる方は100円ショップの老眼鏡でも良いかも。
    少なくともコップの底を通しての視力回復トレーニング より既成老眼鏡の方がマシです。

私が試みている視力回復法

3Dイラストを両手で持って立体視が崩れないようにイラスト内の一点を見ます。
そのままイラストをよく見えない距離まで少し速く遠ざけ、次にゆっくりイラストを近づけ、イラストが近すぎてよく見えないところまで近づけたら再び遠ざけます。
以上を繰り返すと眼が痛くなるので瞼を閉じて遠くの風景を思い浮かべながら眼を休めます。
このとき、晴れていたら瞼を閉じたまま眼に太陽光を当てて眼を温め、眼の周りの血液循環を良くします。
また、近視の人は、カメラの絞りに対応する虹彩が開きすぎているという話もあるので瞼を通した明るい光で虹彩に刺激を与えます。
で、回復結果ですが、日に3分×数回のトレーニングで遠くの看板に文字らしきものが書いてあったのを発見したぐらいです。
それまでは文字かどうかも判らなかったので若干良くなったようです。
ただ、乱視の改善が遅いのか、なまじ見えるので眼が疲れます。物が二重三重に見える乱視なので見えない方が楽です。
3D画で視力が上がる人は、眼の周囲の筋肉が滑らかに動かないために視力が落ちているタイプだと思います。視力の悪い人は筋肉の動きが悪いので少しはよくなりますが、幾らやっても正視にはならないかも